第55回(令和5年)仙台市中学校生徒地図作品展

主催:仙台市中学校社会科研究会

作品展の概要

「仙台市中学校生徒地図作品展」は、仙台市内の中学校生徒が主題図、高度分布図、土地利用図、地図模型の作成を通して、地図についての理解と地理的な考察力を育てるとともに、資料活用の能力を高めることを目的に毎年11月から12月に開催されています。なお、今年度は作品は募集しますが展覧会・表彰式は行わず、紙面により審査結果を公表されています。

主題図「地域の街路樹の分布」

作品名:主題図「地域の街路樹の分布」作品拡大画像

仙台市長賞

作品名:主題図「地域の街路樹の分布」

受賞者:仙台市立加茂中学校 2年 安倍 あかり

作品主旨:
 通学路の街路樹を調べた結果、「成長が早い」「~に強い」「落葉樹であり、花を咲かせたり、紅葉したりと季節によって姿を変える」という共通点があることが分かった。中には伐採されているものもあり、道路の見通しを良くして安全性を向上させるためだと考えた。しかし、強剪定されており、美しい樹形が崩れてしまっているものもある。それでは景観をよくするという役割は果たせないので、適度な剪定にとどめるべきだと考えた。

土地利用図「水沢」

作品名:土地利用図「水沢」作品拡大画像

仙台市長賞

作品名:土地利用図「水沢」

受賞者:仙台市立五城中学校 3年 武田 七美

作品主旨:
  水沢の地形図には、日本最大級の扇状地である、胆沢扇状地が描かれています。
 扇状地には胆沢川から無数の用水路が引かれており、扇状地の広範囲で水稲耕作が行われています。水はけが良い扇状地では水稲耕作は難しいですが、先人の努力によって穀倉地帯になっていることがわかりました。
 扇状地に見られる散居集落には、冬の季節風に備えて、エグネと呼ばれる防風林が植えられており、生活の工夫が見られます。

高度分布図「江住」

作品名:高度分布図「江住」作品拡大画像

仙台市長賞

作品名:高度分布図「江住」

受賞者:仙台市立八木山中学校 3年 小幡 仁

作品主旨:
 高度分布図を作成することで、わかったことは二点ある。一つ目は、北側に険峻な山地が南部に向かって低くなっているが、標高は高くても900メートル未満ということである。二つ目は、川は標高の低い谷や低地に沿って流れていることである。この二点のことから、川は北側の山地に挟まれた谷間から速く流れ、標高が低くなるにつれて開けている低地に流れ、徐々に速さが遅くなっていることが考えられる。

地図模型「口永良部島」

作品名:地図模型「口永良部島」作品拡大画像

奨励賞/仙台市長賞

作品名:地図模型「口永良部島」

受賞者:仙台市立上杉山中学校 2年 芳賀 司

作品主旨:
 地図模型を作った結果、口永良部島は火口が二つあるため、ひょうたん型の島となっていることがわかった。さらに、沿岸部に崖が多いことから、近くを流れる日本海流によって沿岸部が浸食されているということが考えられた。このように平面図形を使っての観察に比べ、実際に地図模型を作成することによって、口永良部島の活火山による長年の火山活動と海流の浸食による特徴的な地形のでき方をわかりやすく理解することができた。

土地利用図「宇都宮」

作品名:土地利用図「宇都宮」作品拡大画像

国土地理院長賞

作品名:土地利用図「宇都宮」

受賞者:仙台市立第一中学校 2年 小笠原 究

作品主旨:
 宇都宮は北関東工業地域が広がっているため、工場が多く、工業が発達していることがわかった。さらに、工場が高速道路の近くに分布しているため、それらの交通網を使って製品を輸送していることがわかった。また、田畑は宇都宮周辺の地域に多く分布しているので、近郊農業で農作物を栽培していることがわかった。西部には森林が広がり、その森林地帯を切り開いてゴルフ場が作られていることがわかった。

地図模型「知床岬」

作品名:地図模型「知床岬」作品拡大画像

国土地理院長賞

作品名:地図模型「知床岬」

受賞者:仙台市立第一中学校 2年 深見 龍吾

作品主旨:
 知床岬は1000m級の山々が中央部に南北に連なっていることがわかった。寒さやこの険しい地形のため、住居はほとんど見られず、沿岸部のみに道路が通っていた。北部は比較的傾斜が緩やかで、北部のみ漁港が見られた。斜里町と羅臼町の境界線は、知床半島の尾根になっていることがわかった。最も大きな崖は東側にあるが、崖の多くは西側の海岸に存在していた。数多く存在する川がこの起伏の多い地形を作り出しているのだとわかった。

地図模型「鹿児島」

作品名:地図模型「鹿児島」作品拡大画像

国土地理院長賞

作品名:地図模型「鹿児島」

受賞者:仙台市立上杉山中学校 2年 佐藤 志皇

作品主旨:
 鹿児島は、桜島と市街地に分かれていた。桜島は北岳、中岳、南岳に分かれていて標高は1117mだった。北岳と南岳には火口があり、噴火したことがわかる。東には広葉樹林、西には果樹園があり、火山なのに自然豊かで果物の栽培が盛んだと考えられる。市街地の方は平地に住宅が集中していて、平地に人口が集まっていることがわかる。また、川が谷のように低くなっていたことから地形が川で削られてできたと考えられる。