地図ならびに地理作品展

第53回(平成26年) 広島地区 主催:広島県地理作品展運営委員会

作品展の概要

「地図ならびに地理作品展」は、小・中・高・特別支援学校等の児童生徒に地図ならびに地理作品の制作を通して、地図に対する正しい理解を持たせると共に、それを活用する能力を身につけさせることを目的に毎年9月に開催されています。

作品:広島市南区のひばくたて物

広島市長賞

作品名:広島市南区のひばくたて物

受賞者:広島大学附属小学校 3年 益田翔生

作品主旨:ぼくの住んでいる広島市南区には、こわれた鉄のとびらがついた古いれんがのたて物があります。それがひばくたて物だと曾祖母から聞きました。ほかにどんなたて物があるのかな、と実さいに行って見てみようと思いました。カメラを持って長いかいだんをのぼったり、せまくて入り組んだ道をまよいながら歩き、数日かけて回り終えました。木造のお寺や神社もたくさんありました。気付かないような場所にひっそりとたっていました。長い年月をたえたひばくたて物を多くの人達に見てほしいです。きっと何かを感じるはずです。そして保存していかなければ、という思いがぼくの心に強くのこりました。


作品:わたしのまちのAED設置場所

国土地理院中国地方測量部長賞

作品名:わたしのまちのAED設置場所

受賞者:安田小学校 4年 沖采緒

作品主旨:「いのちをつなぐ」AED(自動体外式じょ細動器)は私の学校にも設置されています。このAEDが私の住んでいる広島市中区にいくつあるのかを調べ、地図に表しました。また、それぞれの設置場所に行き、使用できる曜日や時間帯を聞きました。すると、夜間使用できるAEDが少ないことが分かりました。いざという時にAEDを一人でも多くの人の命に役立たせるために、自分の生活している町のどこにAEDがあるのかをたくさんの人に知ってもらうことはとても大切なことだと思いました。


作品:西国街道を歩いてみたら・・・~ぼくの家は昔、海の中だった?!~

国土地理院長賞

作品名:西国街道を歩いてみたら・・・~ぼくの家は昔、海の中だった?!~

受賞者:広島大学附属小学校 4年 濱田倫慧

作品主旨:自分の住む町の地名が不思議だったので調べてみました。すると、明治時代初めに埋め立てられたことに由来する地名だったり、裏道だと思っていた道が江戸時代には海岸線に近い大切な道(西国街道)だったりすることを知りました。つまり、ぼくの家のある場所は江戸時代まで海の中だったのです。そこで実際に西国街道を歩いてみて、地形を観察したり古い場所を調べたりしました。すると海に関わる地名や神社・寺が多いことに気がつきました。そしてそれらをヒントにして江戸時代の初めにはどこまで海だったのかを考え、地図の中に表してみました。これからもいろいろな場所を歩きながら、地名と地形のことや過去の地理について考えていきたいです。


作品:水の都広島の城

広島県知事賞

作品名:水の都広島の城

受賞者:広島市立白島小学校 5年 瀧宮悠太

作品主旨:僕は、この夏休み松江城へ行ったことをきっかけに広島城の守りの堅さについて調べました。最初に広島城と松江城を比較し、広島城の歴史をたどってみました。そして、広島城の昔と今の地図を比べることにより、広島城は自然の川を天然の堀として利用した、守りの堅い城だということが分かりました。さらに、城内にたくさんの工夫や仕掛けがあることも知りました。この研究を通して、城について興味を持ち、全国にあるたくさんの城を訪れてみたいと思いました。


作品:佐伯区の立体地図模型

地理科学学会賞

作品名:佐伯区の立体地図模型

受賞者:広島市立五日市南小学校 6年 岡野侑梨

作品主旨:私は、自分が住んでいる地域の地理の特徴を学習するために立体地図模型を作りました。広島市佐伯区には、北部に極楽寺山などの山地があり、八幡川の下流に平野が広がり、南部は瀬戸内海に面しています。丘陵地帯にまで住宅団地が開発されています。豊かな自然に恵まれた地域だということがよくわかりました。完成した立体地図模型を見ると、起伏のある地形の特徴がとてもわかりやすいと思いました。


作品:減り続ける僕の地域の田んぼと畑

国土地理院長賞

作品名:減り続ける僕の地域の田んぼと畑

受賞者:広島大学附属東雲中学校 1年 伊藤彰馬

作品主旨:僕がこの地図をつくった動機は、きれいだった棚田が年々見られなくなっていくのをとてもさみしく思ったのがはじまりです。現在だけでなく、過去にもさかのぼり、近所の方々の証言をもとに地域の環境の変化もとり入れながら、その思いを具現化したのがこの地図です。 


作品:今と昔の宮原の町並みの比較

広島県教育委員会賞

作品名:今と昔の宮原の町並みの比較

受賞者:呉市立宮原中学校 1年 髙橋快

作品主旨:元坪内小学校の校長先生だった石井先生が中学校に来られ、宮原の歴史について教えてくださいました。明治18年、呉に鎮守府が置かれ、その後、宮原の人口が増えました。昭和16年から17年頃、商店街はとても栄えていたそうです。ぼくが生まれた頃にあった店もどんどんなくなって「宮原商店街」という看板も下ろされました。もちろん人口も減り、子供の人口は当時の10分の1ほどです。一番にぎやかだった商店街とさびしくなった今の町並みを比べてみました。


作品:大好き!!向洋新町

広島市長賞

作品名:大好き!!向洋新町

受賞者:広島大学附属東雲中学校 2年 樋口柚利子

作品主旨:私の住んでいる向洋新町は、山を造成してつくられた、比較的新しい町で、私は生まれてからずっとここに住んでいる。私は大好きな向洋新町のことを深く知りたいと思った。まず造成前と造成後で地形がどのように変化したか、視覚的に分かりやすいように模型であらわした。つぎに現在の様子を写真で紹介しながら、良いところや問題点などを考えてみた。最後に、向洋新町を住みよい町にするためにどのような改善点があるかを考えてみた。ハザードマップを参考にすることで、防災面での課題も見えてきた。造成前の地形図を探すのに苦労したが、図書館の方に助言をいただいたことで見つけることができ、感謝している。


作品:広島電鉄から分かる草津の漁業と埋め立て

国土地理院中国地方測量部長賞

作品名:広島電鉄から分かる草津の漁業と埋め立て

受賞者:ノートルダム清心中学校 2年 吉川紫

作品主旨:埋め立てとともに大きく姿を変えた草津港。その影響を近くを走り、百年以上の歴史がある広島電鉄ももちろん影響を受けていました。広島電鉄ファンである私はその2つの変化を遊び心を込めながら楽しく写真を使ってまとめてみました。調べてみると、草津港で採れた魚を広島電鉄の電車で運んでいたこと、近くの駅名が「魚市場」だったことなどから草津港と広島電鉄という関係がとても大切であったということが理解できました。また、草津港を埋め立てたことによって堤防の形が変化していったことなども分かりました。今は走っていない高床車の絵など、当時の名残を残すものも載せてみたのでその辺りもご覧ください。


作品:2014年8月20日 なぜ土砂災害は、広島市安佐北区・安佐南区に集中して発生したのか?

国土地理院長賞

作品名:2014年8月20日 なぜ土砂災害は、広島市安佐北区・安佐南区に集中して発生したのか?

受賞者:広島県立安古市高等学校 2年 竹内麻純、田窪美南、長谷部典子、松浦佳奈

作品主旨:学校のある広島市安佐南区、その北部安佐北区で起きた土砂災害。殆どが太田川沿いを北北東に進む国道54号線付近で発生した。本校に通う生徒も被災した。なぜこの地域に集中したのか。安全面から現地調査を行えず、国土地理院や気象庁のwebページを閲覧し、等高線段彩図に加工した地形図に発生場所を赤で着色した。南からの雨雲が阿武山にぶつかり、可部の断層山地間を北上したため、多量の降雨をもたらし土砂災害が集中したことがこれらの作業からわかった。