日本水準原点
日本水準原点
日本水準原点は、日本における高さを決めるための基準となる点であり、測量法施行令(昭和24年政令第322号)第2条第2項において、その数値が定められています。
概要我が国の高さ(標高)は、測量法により、東京湾の平均海面を0mとして定義されています。 しかし、測量のたびに、平均海面を求めることは効率的ではありません。 そこで、地上に固定するため「日本水準原点」が、1891年(明治24)にかつての陸地測量部内(東京三宅坂)に造られました。これが、実質的な高さ(標高)の原点です。 全国の主要な道路沿いに設置されている水準点の高さは、この日本水準原点に基づいて水準測量により決められ、この水準点がその地域において行われる高さの測量の基準となります。 日本水準原点の構造日本水準原点は、長く標高の基準となることを考慮し、地震時の上下変動を最小限に抑え、水平変動を減少させるため、地下約10mを超える基礎を打ち、基礎の煉瓦積と周囲の地盤の間に細砂を充填して築かれています。 日本水準原点と日本水準原点標庫は令和元年に国の重要文化財に指定されました。 日本水準原点の近くには、「甲、乙、丙、丁、戊(ぼ)」と名づけられた一等水準点が5点あります。「丁」は地上にありますが、他の4つの水準点は、普段は鉄の蓋で覆われています。このうち「甲、乙、丙」もまた重要文化財に指定されています。 原点数値の変遷1891年(明治24年)に水準原点を設置した際に、原点数値は24.500mと定めました。 1949年(昭和24年)の測量法施行令制定により24.4140m と定められました。
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