2021年 ニーラゴンゴ火山の噴火
合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地殻変動作成:2021年6月1日、更新:2021年6月7日English version of this page 概要2021年5月22日(UTC)にコンゴ民主共和国の北キブ州、州都ゴマの北約15kmにあるニーラゴンゴ火山で噴火が発生しました。日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して2.5次元解析、SAR干渉解析等を行いました。得られた結果は以下の通りです。
SAR干渉ペア
*1 F:高分解能(Fine) * 図1,2は図3,4の組み合わせによる解析 (参考: ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA)) 図2. 準上下成分[PNG: 0.9MB] 図4. 2020-07-30と2021-06-03の衛星-地表視線方向の変位量分布(アンラップ画像)。 [PNG: 1.06MB] 図5. 2020-03-08と2021-05-28の干渉画像。干渉縞が密な領域は大きな変動があったことを示します。 [PNG: 1.39MB] 図6. 2020-07-30と2021-06-03の干渉画像。干渉縞が密な領域は大きな変動があったことを示します。 [PNG: 1.78MB] 図7. 2020-03-08と2021-05-28の強度画像を利用した加色混合法(RGB合成画像)による解析。ニーラゴンゴ火山の南側山腹から溶岩が流出したことが示唆されます(赤色の領域)。[PNG: 2.89MB] 図8. 2020-07-30と2021-06-03の強度画像を利用した加色混合法(RGB合成画像)による解析。ニーラゴンゴ火山の南側山腹から溶岩が流出したことが示唆されます(赤色の領域)。[PNG: 1.84MB] ※加色混合法(RGB合成画像)について
今回の観測では,1回の観測でHH偏波とHV偏波によるSAR画像が得られました。これを利用して,1回目観測のHV偏波の画像に赤(R),2回目観測のHV偏波に緑(G),2回目観測のHH偏波に青(B)を割り当てて画像を合成しています。 溶岩流出に対応すると考えられる赤色の部分は,2回目の散乱強度が弱くなった部分に相当します。今回はHVの散乱強度が大きく低下しています。HV偏波は植生域で強い散乱を示しますが,溶岩の流出により植生がなくなったことで2回目の散乱強度が弱まったと考えられます。
解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
本成果は火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。 分析に使用した人工衛星日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)
このページの内容・画像を引用・転載される方へ本ウェブサイトで公開している情報(画像、図表、文字等)を利用する際は、国土地理院コンテンツ利用規約に従いご利用ください。
(研究成果利用状況の把握のため、引用先・転載先をお知らせいただければ幸甚です。) 問い合わせ先地理地殻活動研究センター
地殻変動研究室 室長 宗包 浩志(MUNEKANE Hiroshi)(直通 029-864-6925) 宇宙測地研究室 室長 小林 知勝(KOBAYASHI Tomokazu)(直通 029-864-4832) 関連リンク |