平成28年12月の地殻変動について
発表日時:2017年1月12日(木)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2016年11月下旬から2016年12月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。東北及び関東では、2016年12月28日の茨城県北部の地震に伴う地殻変動が見られます。九州では、2016年4月14日以降の「平成28年(2016年)熊本地震」に伴う地殻変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。東北及び関東では、2016年12月28日の茨城県北部の地震に伴う地殻変動が見られます。九州では、2016年4月14日以降の「平成28年(2016年)熊本地震」に伴う地殻変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
- 別紙1 全国 (PDF形式:502KB)
- 別紙2 北海道地方 (PDF形式:173KB)
- 別紙3 東北地方 (PDF形式:166KB)
- 別紙4 関東・中部地方 (PDF形式:206KB)
- 別紙5 近畿・中国・四国地方 (PDF形式:515KB)
- 別紙6 九州地方 (PDF形式:366KB)
- 別紙7 沖縄地方 (PDF形式:157KB)
トピックス
- 12月28日に発生した茨城県北部の地震(M6.3、最大震度6弱)に伴い、震源域に近い電子基準点「里美(さとみ)」(茨城県常陸太田市)で西南西方向に約3cmの変動をはじめ、茨城県及び福島県内の複数の電子基準点で地殻変動が観測されました。(別紙8-1) また、「だいち2号」合成開口レーダー及び電子基準点で観測された地殻変動を基に震源断層モデルを推定しました。(別紙8-2)この地震に伴う地殻変動は、2011年3月19日に発生した地震(M6.1)で観測された地殻変動とほぼ同じ領域に観測されました。(別紙8-3)
- 「平成28年(2016年)熊本地震」の震源域付近では、余効変動が観測されています。(別紙9)
- 豊後水道周辺で2015年12月頃から観測された非定常的な地殻変動は、全般的にはほぼ収まったように見えます。この変化は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界における地震動を伴わないゆっくりとした滑り(スロースリップ)に起因するものと推定されます。なお、この付近では、1997年、2003~2004年、2009~2010年などにも長期的なゆっくり滑りが観測されています。(別紙10)
- 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙11)
- 浅間山周辺では、2015年6月頃から浅間山を挟む基線で小さな伸びが見られていましたが、10月頃から鈍化し、2016年1月頃から停滞しています。(別紙12)
- 御嶽山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙13)
- 硫黄島の「硫黄島1」及び「M硫黄島A」の隆起が続いています。「硫黄島2」は、南向きの変動が継続しています。2016年11月3日頃から、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」が北に約3cm、「硫黄島2」が南に約2cm、それぞれ目立った変動がありましたが、6日以降その変動量は小さくなり、11日頃から以前の傾向に戻っています。(別紙14)
- 阿蘇山周辺では、2016年10月8日の噴火に伴う短期的な地殻変動は観測されていません。2016年7月頃から、「長陽」-「阿蘇」、「長陽」-「高森」の基線で伸びの傾向が認められていましたが、11月頃から停滞しています。(別紙15)
- 霧島山周辺では、「平成28年(2016年)熊本地震」の影響を受け、全体的に南北方向の短縮が見られましたが、その後目立った変動はありません。(別紙16)
- 桜島島内の基線では、2016年1月頃から伸びの傾向が見られていましたが、10月頃から停滞しています。鹿児島(錦江)湾を挟む一部の基線で、2015年1月上旬頃から伸びの傾向が見られます。(別紙17)
- 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)
さらに、現地調査を行った結果、地表変形が確認されました。(別紙8-4)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2015年12月下旬から2016年12月下旬まで、別紙19)からは、以下のような傾向が見られます。
- 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 東北では、2016年11月22日の福島県沖の地震に伴う地殻変動が見られます。
- 東北及び関東では、2016年12月28日の茨城県北部の地震に伴う地殻変動が見られます。
- 中国では、2016年10月21日に発生した鳥取県中部の地震に伴う地殻変動が見られます。
- 九州では、2016年4月14日以降の「平成28年(2016年)熊本地震」に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8-1 茨城県北部の地震(12月28日 M6.3)前後の観測データ (PDF形式:504KB)
- 別紙8-2 平成28年(2016年)12月28日茨城県北部の地震(Mj6.3)に関する合成開口レーダー解析結果 (PDF形式:644KB)
- 別紙8-3 2016年12月28日茨城県北部の地震(Mj6.3)と2011年3月19日(Mj6.1)の地震の干渉画像の比較 (PDF形式:356KB)
- 別紙8-4 平成28年(2016年)12月28日茨城県北部の地震(Mj6.3)に関する合成開口レーダー解析結果に基づく地表変形の現地調査結果 (PDF形式:1.6MB)
- 別紙9 平成28年(2016年)熊本地震(4月16日 M7.3)の余効変動 (PDF形式:1.5MB)
- 別紙10 豊後水道周辺の非定常的な地殻変動 (PDF形式:1.6MB)
- 別紙11 草津白根山周辺の地殻変動 (PDF形式:416KB)
- 別紙12 浅間山周辺の地殻変動 (PDF形式:500KB)
- 別紙13 御嶽山周辺の地殻変動 (PDF形式:631KB)
- 別紙14 硫黄島周辺の地殻変動 (PDF形式:761KB)
- 別紙15 阿蘇山周辺の地殻変動 (PDF形式:204KB)
- 別紙16 霧島山周辺の地殻変動 (PDF形式:620KB)
- 別紙17 桜島周辺の地殻変動 (PDF形式:484KB)
- 別紙18 口永良部島周辺の地殻変動 (PDF形式:219KB)
- 別紙19 全国の地殻変動(水平)-1年間- (PDF形式:504KB)
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 測地観測センター 地殻監視課長 千早 昭二 (029-864-5971) 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 矢来 博司 (029-864-6925) 測地観測センター 地震調査官 檜山 洋平 (029-864-4825) FAX 029-864-8381