3次元的な変動把握

2.5次元解析

干渉SARでは、衛星-地表視線方向の距離の変化しかとらえられません。
しかし、南行軌道の西向き観測の結果と、北行軌道の東向き観測の結果を合成すると、準東西方向と準上下方向に分離することができます。
「準」というのは、衛星の進行方向が南北方向からわずかにずれていることで電波の照射方向も厳密には東西方向から数度ずれていることを示します。
この手法を2.5次元解析と呼んでいます。

MAI法

MAI(Multiple Aperture Interferometry)は、2時期に観測された2枚のSAR画像から、その間に発生した衛星進行方向(アジマス)の変位を計測する技術です。
通常の干渉SARでは衛星-地表間距離の変化のみの計測にとどまりますが、MAIでは、通常の干渉SARよりも少し複雑な信号処理を施すことで、衛星進行方向の変位を計測することができます。


詳しくは「MAI(Multiple Aperture Interferometry)について」をご覧ください。

3次元解析

だいち2号のような人工衛星を利用した干渉SARの場合、南から北へ向かう軌道で右(東)側へ電波を照射する観測と、左(西)側へ電波を照射する観測、北から南へ向かう軌道で右(西)側へ電波を照射する観測と、左(東)側へ電波を照射する観測ができます。

これら4方向異なる方向からの衛星-視線方向の変動量により、東西・南北・上下成分の変動量を最小二乗法により推定することができます。