2021年5月1日宮城県沖の地震の震源断層モデル
作成:2021年5月10日,更新:2022年4月1日
2021年5月1日宮城県沖の地震のすべり分布モデル概要2021年5月1日に発生した宮城県沖を震源とする地震について、電子基準点等のGNSS観測点で観測された地殻変動を基に、プレート面上の断層すべりを仮定してすべり分布を推定しました。
推定されたモーメントマグニチュード(Mw)は6.95 (地震モーメント:3.35×1019Nm)です。 すべり分布モデル![]() 図.すべり分布モデル及びGNSSデータの観測値と計算値(水平成分)[PNG: 182KB] ※プレート面を5kmx5kmの小断層に分割してすべり分布を推定
※プレート面はKita et al. (2010, EPSL)およびNakajima and Hasegawa (2006, GRL)による。 ※ラプラシアン平滑化を採用。ハイパーパラメータはABICにより決定。 ※Mwの計算においては、剛性率を60 GPaと仮定 ![]() 図.すべり分布モデル及びGNSSデータの観測値と計算値(鉛直成分)[PNG: 165KB] ※プレート面を5kmx5kmの小断層に分割してすべり分布を推定
※プレート面はKita et al. (2010, EPSL)およびNakajima and Hasegawa (2006, GRL)による。 ※ラプラシアン平滑化を採用。ハイパーパラメータはABICにより決定。 ※Mwの計算においては、剛性率を60 GPaと仮定 2021年5月1日宮城県沖の地震の震源断層モデル概要2021年5月1日に発生した宮城県沖を震源とする地震について、電子基準点等のGNSS観測点で観測された地殻変動を基に震源断層モデル(矩形断層一様すべり)を推定しました。特徴は以下の通りです。
1) 北東-南西走向で西に傾き下がる断層面上における逆断層運動が推定される。 2) 推定された断層面の水平位置は、震源分布と整合している。 3) 断層の上端は、深さ約46km(断層下端:約56km)に位置する。 4) 推定されたモーメントマグニチュード(Mw)は6.93(地震モーメント:3.27×1019Nm)である。 震源断層モデル(矩形断層一様すべりモデル)![]() 図.震源断層モデル及びGNSSデータの観測値と計算値[PNG: 398KB] (上)矩形実線は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。矢印は観測値(黒)及び計算値(赤)の水平成分。 (中)矢印は観測値(黒)及び計算値(赤)の鉛直成分。 (下)傾斜方向(A-B)に射影した断層面(太線)及び震源分布(点)。傾き下がる方向を正に取っている。実線はプレート境界面(Nakajima and Hasegawa 2006, Kita et al. 2010) ☆印は震央、点は震源分布(気象庁一元化震源を使用)。 表. 震源断層モデルのパラメータ
※マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いて矩形断層1枚でモデルパラメータを推定した。 ※位置は断層の左上端を示す。( )内は誤差(1σ)を示す。 ※断層長さと断層幅の比はスケーリング則(Strasser et al. 2010)で固定。 ※Mwと断層面積がスケーリング則(Strasser et al. 2010)に近づくよう拘束した。 ※Mwの計算においては、剛性率を60GPaと仮定した。 【(参考)事後確率分布(コーナープロット)】 図.モデルパラメータのコーナープロット(参考)[PNG: 137KB] 各パラメータ(経度、緯度、深さ、長さ、幅、走向角、傾斜角、すべり角、すべり量)間の相関関係を表す。 【地理院地図での表示】 震源断層モデル及び震源分布データのkmlファイルは下記から入手可能です。 ※震源分布のデータは、気象庁が大学や国立研究開発法人防災科学技術研究所等の関係機関から地震観測データの提供を受け、文部科学省と協力して整理したものです。(2021年5月1日に宮城県沖で発生した地震後、同年5月6日8時までに起きたマグニチュード2以上の地震の震源分布データ) 地理院地図上でkmlファイルを読み込み、3Dモデルで表示すれば、推定された震源断層面(茶色矩形)を3次元で見ることができます。 【参考】2021年5月10日作成:2021年5月1日宮城県沖の地震の震源断層モデル概要2021年5月1日に発生した宮城県沖を震源とする地震について、電子基準点等のGNSS観測点で観測された地殻変動を基に震源断層モデル(矩形断層一様すべり)を推定しました。特徴は以下の通りです。
1) 北東-南西走向で西に傾き下がる断層面上における逆断層運動が推定される。 2) 推定された断層面の水平位置は、震源分布と整合している。 3) 断層の上端は、深さ約41km(断層下端:約53km)に位置する。 4) 推定されたモーメントマグニチュード(Mw)は6.92(地震モーメント:3.02×1019Nm)である。 震源断層モデル(矩形断層一様すべりモデル)![]() 図.震源断層モデル及びGNSSデータの観測値と計算値[PNG: 140KB] (上)矩形実線は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。矢印は観測値(黒)及び計算値(赤)の水平成分。 (中)矢印は観測値(黒)及び計算値(赤)の鉛直成分。 (下)傾斜方向(A-B)に射影した断層面(太線)及び震源分布(点)。傾き下がる方向を正に取っている。実線はプレート境界面(Nakajima and Hasegawa 2006, Kita et al. 2010) ☆印は震央、点は震源分布(気象庁一元化震源を使用)。 表. 震源断層モデルのパラメータ
※マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いて矩形断層1枚でモデルパラメータを推定した。 ※位置は断層の左上端を示す。( )内は誤差(1σ)を示す。 ※断層長さと断層幅の比はスケーリング則(Strasser et al. 2010)で固定。 ※Mwと断層面積がスケーリング則(Strasser et al. 2010)に近づくよう拘束した。 ※Mwの計算においては、剛性率を60GPaと仮定した。 【(参考)事後確率分布(コーナープロット)】 図.モデルパラメータのコーナープロット(参考)[PNG: 571KB] 各パラメータ(経度、緯度、深さ、長さ、幅、走向角、傾斜角、すべり角、すべり量)間の相関関係を表す。 【地理院地図での表示】 震源断層モデル及び震源分布データのkmlファイルは下記から入手可能です。 ※震源分布のデータは、気象庁が大学や国立研究開発法人防災科学技術研究所等の関係機関から地震観測データの提供を受け、文部科学省と協力して整理したものです。(2021年5月1日に宮城県沖で発生した地震後、同年5月6日8時までに起きたマグニチュード2以上の地震の震源分布データ) 地理院地図上でkmlファイルを読み込み、3Dモデルで表示すれば、推定された震源断層面(茶色矩形)を3次元で見ることができます。 地震概要
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地殻変動研究室 室長 宗包 浩志 (直通 029-864-6925) ![]() |