最終更新日:2020年1月22日

2020年1月12日フィリピン・タール火山の噴火に伴う地殻変動

合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地形変化

作成:2020年1月22日 English version of this page

概要

2020年1月12日(UTC)にフィリピンのルソン島南部にあるタール火山の噴火が発生しました。噴火に関わる地殻変動等を把握するため、日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して画像の分析を行いました。

これまでの解析により、以下のことが分かりました。
・SAR干渉解析により、タール湖周辺で大きな地殻変動が見られます。特にタール湖の南西側を中心に最大で1mを超える大きな地殻変動が見られます(図1)。また、タール湖の南西側に位相の不連続がいくつか見られます(図2の赤線)。
MAI法の解析により、タール湖の西側で北向きの変動、南西側から南側で南向きの変動が見られます(図3)。

解析結果

SAR干渉画像

図1.噴火前後のSAR干渉画像[PNG:3.1MB]


拡大図

図2.タール湖南西部の拡大画像[PNG:1.5MB]


解析画像

図3.噴火前後のMAI法解析画像[PNG:1.4MB]


図4.解析範囲
図番号 観測日 観測時間
(UTC)
衛星進行方向 電波照射方向 観測モード*1 入射角 垂直基線長
1,2,3 2019-11-12
2020-01-21
16:02頃 北行 F 36° -139m

*1 F:高分解能(10 m)
(参考:ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA))

解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
本成果は、火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。

分析に使用した人工衛星

日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)

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