最終更新日:2018年10月5日

2018年インドネシア・スラウェシ島の地震に伴う地殻変動

合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地殻変動

作成:2018年10月5日、更新:2018年10月5日 English version of this page

概要

2018年9月28日(UTC)にインドネシア・スラウェシ島でMw7.5(USGS)の地震が発生しました。日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用してSAR干渉解析を行った結果、地震に伴う地殻変動が検出されました。
その特徴は以下の通りです。

・変動域は震央から南側へ約160kmの範囲に及んでいる(図1)。
・Paluから南側で大きな地殻変動が見られ、5m程度の変位が生じている(図2)。南北に走向をもつ断層の左横ずれ運動と調和的である。
・単純な1枚の断層ではなく、複数の断層が複合して動いたように見える。
・震源断層による地殻変動だけでなく、地震の際に誘発されたと思われる断層変位も見られる。

SAR干渉解析結果

干渉画像
図1. 観測ペアのSAR干渉画像 [PNG: 1.4MB]
※2回目観測はオンボード軌道のデータを用いており、残存軌道縞に対して傾斜をかけて補正を行った。

解析画像

図2. 観測ペアのMAI法解析画像 [PNG: 0.8MB]

番号
観測日 観測時間
(UTC)
衛星
進行
方向
電波
照射
方向
観測
モード
*1
入射角
(震央付近)
垂直
基線長
1 2018-08-24
2018-10-02
03:47頃 W-W 29° +43m

*1 W:広域観測(Normal)
(参考: ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA)

解析:国土地理院   原初データ所有:JAXA
本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。

地震概要

地震発生日時 2018年9月28日10時2分(UTC)
2018年9月28日19時2分(JST)
震源位置 0.178°S、119.840°E、深さ10.0 km
(USGS、2018年10月4日現在)
マグニチュード Mw=7.5(USGS、2018年10月4日現在)
                

分析に使用した人工衛星

日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)

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