最終更新日:2019年6月20日

2019年6月18日山形県沖の地震の震源断層モデル(暫定)

作成:2019年6月20日

概要

2019年6月18日に発生した山形県沖の地震について、GNSSで観測された地殻変動を基に震源断層モデル(矩形断層一様滑り)を推定しました。特徴は以下の通りです。

1) 北東-南西走向の断層面上における逆断層運動が推定される。
2) 推定された断層面の水平位置は、震源分布と整合している。
3) 東に傾斜する断層を仮定した場合は低角の断層面、西に傾斜する断層を仮定した場合は高角の断層面が推定される。
4) 断層面は深さ約8km(断層上端)に位置する。
5) 推定されたモーメントマグニチュードは6.4である。

なお、今回の結果は速報として発表した暫定的なモデルです。今後、より詳細な分析等を行っていく予定です。

震源断層モデル(矩形断層一様滑りモデル)

【東に傾き下がる断層面を仮定した場合の震源断層モデル】

震源断層モデル
図1.東に傾き下がる断層面を仮定した場合の震源断層モデル及びGNSSデータの観測値と計算値 [PNG: 940KB]
(左)水平成分、(右)上下成分。★印は震央、点は余震分布(気象庁一元化震源を使用)。
矩形は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。

表1. 東に傾き下がる断層面を仮定した場合の震源断層モデルパラメータ
経度
[ ° ]
緯度
[ ° ]
上端深さ
[km]
長さ
[km]

[km]
走向
[ ° ]
傾斜
[ ° ]
滑り角
[ ° ]
滑り量
[m]
Mw
139.378
(0.017)
38.574
(0.025)
7.6
(3.7)
19.7
(4.7)
6.2
(2.7)
40 28
(7.6)
99
(5.7)
1.2
(0.4)
6.4



【西に傾き下がる断層面を仮定した場合の震源断層モデル】


図2.西に傾き下がる断層面を仮定した場合の震源断層モデル及びGNSSデータの観測値と計算値 [PNG: 940KB]
(左)水平成分、(右)上下成分。★印は震央、点は余震分布(気象庁一元化震源を使用)。
矩形は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。

表2. 西に傾き下がる断層面を仮定した場合の震源断層モデルパラメータ
経度
[ ° ]
緯度
[ ° ]
上端深さ
[km]
長さ
[km]

[km]
走向
[ ° ]
傾斜
[ ° ]
滑り角
[ ° ]
滑り量
[m]
Mw
139.575
(0.025)
38.712
(0.022)
8.8
(2.8)
27.4
(5.2)
10.2
(4.0)
220 77
(7.8)
88
(7.3)
0.6
(0.3)
6.4


※1 矩形断層1枚での推定結果。位置は断層の左上端を示す。( )内は誤差を示す(1σ)。
※2 断層走向は震源分布を基に固定
※3 剛性率は30GPaを仮定
※4 GNSSデータの観測値は、迅速解(Q3解)を使用


【地理院地図での表示】

地理院地図3Dで表示した震源断層モデル(東に傾き下がる断層面)

震源断層モデルのkmlファイルは下記から入手可能です。
震源断層モデル(東に傾き下がる断層面)のkmlファイル】 
震源断層モデル(西に傾き下がる断層面)のkmlファイル

地理院地図上でkmlファイルを読み込み、3Dモデルで表示すれば、推定された震源断層面(茶色矩形)を3次元で見ることができます。

地理院地図の3D機能の説明

地震概要

地震発生日時 令和元年(2019年)6月18日22時22分
震源位置 北緯38度36.4分、東経139度28.7分、深さ14 km
(気象庁、2019年6月19日現在)
マグニチュード 6.7(気象庁、2019年6月19日現在)

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