令和3年6月の地殻変動

発表日時:2021年7月8日(木)16時00分

全国の地殻変動概況

 国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2021年5月中旬から2021年6月中旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。また、与那国島では、5月下旬から6月にかけて与那国島近海で発生した地震活動に伴う地殻変動が見られます。
 火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス

  • GNSS観測によると、2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は鈍化しているように見えます。この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙8)
  • GNSS観測によると、2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙9)
  • GNSS観測によると、2020年夏頃から九州南部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は鈍化しているように見えます。この変動は、日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙10)
  • GNSS観測によると、5月下旬から6月にかけて与那国島近海で発生した地震活動(最大地震 5月27日、5月28日 M4.9)に伴い、与那国島の「与那国B」で、南南東方向に1cm程度の小さな地殻変動が観測されました。(別紙11)
  • 浅間山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」で南向きの変動が継続しています。(別紙13)
  • 阿蘇山周辺では、阿蘇山を取り囲む基線で、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙14)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「垂水」-「隼人」の基線で2021年1月上旬から、わずかな伸びが見られます。「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」の基線で2021 年1月上旬から見られたわずかな伸びは、2021年3月頃から停滞しています。桜島島内の基線の変動は2020年4月頃から停滞しています。(別紙15)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙17)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)

補足説明

  • 全国の1年間(2020年6月中旬から2021年6月中旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙19)
    • 東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
測地観測センター      地震調査官        和田 弘人    (029-864-4825)
測地観測センター      地殻監視課長       仲井 博之    (029-864-5971)
地理地殻活動研究センター  地理地殻活動総括研究官  黒石 裕樹    (029-864-2477)
                                  FAX 029-864-8381

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