験潮のQ&A

験潮場と技術及びデータに関するQ&A

Q1. 験潮場に関するQ&A

Q1-1. 潮位観測施設には「験潮場」という名称と「検潮所」という名称がありますが、異なるものでしょうか?

「験潮場」と「検潮所」は、いずれも「潮汐などによる海面の昇降を測定する施設」で、所有する機関により使い分けされており、「験潮所」いう名称が使われている例もあります。
国土地理院では、前身の陸地測量部が験潮業務を開始して以来、「験潮場」の名称を継続して使用しています。

Q1-2.国土地理院以外に潮位観測は、どの機関で行っていますか?

国土地理院の他に主に気象庁、海上保安庁、国土交通省港湾局、各自治体等で行っています。
海岸昇降検知センターに登録されている潮位観測施設は、以下よりご確認ください。(潮位観測施設の一部であり、未登録の施設も含まれます。)
海岸昇降検知センターHP:https://cais.gsi.go.jp/cmdc/centerindex.html

Q1-3.陸地測量部時代には現在の領土外にも験潮場は設置されたのですか?

台湾、樺太、朝鮮に設置されましたが、終戦により放棄されました。

Q2. 技術及びデータに関するQ&A

Q2-1.どのような機器で潮位観測していますか?

験潮儀から井戸の中に吊した浮標(フロート式)で潮位観測しています。
詳細は「験潮の概要」をご参照ください。

Q2-2.原子測定を行う目的は何ですか?

潮位観測の基準面の数値(観測基準面定数)と実際の計測値を比較することにより、験潮儀にドリフトなどの不具合が生じていていないかを確認するために行います。
原子測定の結果、観測基準面定数からズレを発見した際は、験潮儀を調整しズレを修正します。
用語は「験潮の解説」をご参照ください。

Q2-3.原子測定はどのような作業ですか?

験潮場内の井戸に2か所ある固定点をまたぐ用具で、固定点と同じ高さの水面を作り、その水面に浮標を浮かべ、験潮儀で水面を測定します。
測定値と観測基準面定数との差を求め、差が許容範囲内であることを点検する作業です。許容範囲を超えた場合は観測基準面定数に一致するように験潮儀の調整を行います。
詳細は「国土地理院験潮場保守及び測定要領 」をご参照ください。

Q2-4.験潮場内にある固定点とは何ですか?

潮位観測の観測基準面から上に観測基準面定数をプラスした高さにあり、標高が決められている点です。
東京湾平均海面(TP)を基準とした潮位に換算する際に使用します。
換算方法は「験潮の解説」をご参照ください。

Q2-5.固定点の標高はどのように求めたのですか?

験潮場毎に付属する水準点には東京湾平均海水面に準拠する標高値があり、この付属水準点から直接水準測量を行っています。
過去の固定点の標高は「固定点の標高の改定変遷」をご参照ください。

Q2-6.潮位データはダウンロードできますか?

現在観測中の験潮場の潮位データは「潮位データ提供」からダウンロードできます。
過去に管理していた験潮場の潮位データは「その他の潮位データ提供」からダウンロードできます。
ダウンロードの際は潮位を測る(験潮)の「新着情報」にて保守情報等もご確認ください。

Q2-7.どのような潮位データをダウンロードできますか?

潮位データは「30秒潮位」「毎時潮位」「日平均潮位」「月平均潮位」「年平均潮位」「満干潮位」をダウンロードできます。
潮位データの概要は「潮位データ提供」をご参照ください。各潮位データは観測基準面から海面までの高さである「観測潮位」、観測潮位から東京湾平均海面(TP)(※)を基準とした潮位に換算した「TP換算潮位」を選択できます。
※離島に位置する奥尻・飛島・小木・沖縄の各験潮場は、それぞれの験潮場で観測された平均海面を基準とした潮位を表示しています。