大沢岳登山道調査について

大沢岳登山道調査について

 南アルプスの大沢岳(静岡市葵区:標高2,820m)は聖岳から赤石岳へと南アルプス南部を縦走するルート上にあり、多くの登山者がこの登山道を利用しています。しかし、登山道が変更になったため、現状の地理院地図に不整合が生じているとの指摘が寄せられていました。また、山小屋についても位置が異なるのではとの指摘がありました。
 大沢岳周辺は標高が高く現地調査が困難な地域ですが、静岡県山岳遭難防止対策協議会(以下、協議会)静岡支部と連携のもと、登山道調査を実施することができました。現地調査は、協議会の一員である静岡市消防局千代田消防署しずはた出張所に所属する山岳救助隊に実施していただきました。
○現地調査の概要
日時  :  平成26年8月6日(水) 調査に使用したハンディGPS機器
調査者 :  静岡市消防局山岳救助隊員 3名
調査行程:  百間平~百間洞山の家~大沢岳分岐(往復)
調査方法:



 現地調査は2台のハンディGPS機器を携帯して登山道を歩き、修正に必要な精度のGPSの軌跡を取得します。調査の結果、指摘のとおり新しい登山道ができていることが分かりました(登山道現地調査結果図を参照)。山小屋の位置については、地理院地図に表示された場所で間違いないことを確認しました。
調査に使用したハンディGPS機器
 現地調査後は、解析したGPSデータをもとに、国土地理院で登山道の地図データの修正作業を行いました。現状の地図の登山道は進入箇所が不明であるとの調査結果から、削除することとしました。これらの修正作業の結果は、近日中に、地理院地図に反映される予定です。また、この場をお借りして、調査にご協力いただきました関係者の皆様に御礼申し上げます。

 国土地理院では、登山者の安心・安全の確保のため、地元自治体等の関係者と連携して登山道調査を行い、正確な登山道を記した地図を作成しています。
 登山道調査の詳細については、以下のとおり国土地理院のHPをご覧ください。

(登山道調査の記録)
http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa40023.html

登山道現地調査結果図(取得したGPSデータの解析結果をもとに作成)


登山道からの富士山の遠望写真(撮影:山岳救助隊員)