最終更新日:2024年3月6日

ベクトルタイル「地形分類」 ―身の回りの土地の成り立ちと自然災害リスクがワンクリックで分かります―

地形分類は、その地形を形態、成り立ち、性質などによって区分したものです。平成28年3月9日より、これまで公開していた地形分類図をベクトルタイル提供実験として新たな形式で地理院地図より公開しています。
このデータにより、身の回りの土地の成り立ちと、その土地が本来持っている自然災害リスクについて、地図上をワンクリックすることで確認できます。


・ベクトルタイル「地形分類(自然地形)」を地理院地図で見る
・ベクトルタイル「地形分類(人工地形)」を地理院地図で見る

更新情報

令和6年3月6日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました 【NEW!】
令和6年1月17日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
令和5年10月1日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
令和5年6月1日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
令和4年3月28日 全国の主要な地形がワンクリックでわかります 
令和4年3月28日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
令和2年10月6日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
令和2年3月27日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
平成31年3月20日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
平成30年3月26日 「地形分類(自然地形)」「地形分類(人工地形)」の公開地域が広がりました
平成29年10月27日 茨城県及び千葉県の一部地域の「地形分類(自然地形)」を更新しました
平成29年3月29日 身の回りの土地の成り立ちと自然災害リスクをワンクリックで確認できる範囲が広がりました
平成28年3月9日 身の回りの土地の成り立ちと自然災害リスクがワンクリックで分かります

オリジナルデータと解説

ベクトルタイル「地形分類(自然地形)」及びベクトルタイル「地形分類(人工地形)」は、土地条件図(数値地図25000(土地条件))、脆弱地形調査、治水地形分類図(更新版)、沿岸海域土地条件図及び地形分類データ整備における地形分類データを、1つのレイヤにまとめて公開しています。各地域のオリジナルデータは、下図又は地理院地図の同レイヤのズームレベル9~13でご確認いただけます。 




 ベクトルタイル「地形分類」は、オリジナルデータの地形分類をコードで格納しています。地理院地図では、いくつかの地形分類をまとめて表示しています。詳細は以下の対応表をご参照ください。

 土地条件図(数値地図25000(土地条件))と治水地形分類図(更新版)の各地形分類の対応表

 ベクトルタイル「地形分類」の解説文については、下表のとおり各資料等から引用しています。

 ◆「地形分類(自然地形)」『詳細版』ズームレベル14~16
配色 地形分類 土地の成り立ち 地形から見た自然災害リスク 解説文引用資料等(リンク等)
山地 尾根や谷からなる土地や、比較的斜面の急な土地。山がちな古い段丘崖の斜面や火山地を含む。 大雨や地震により、崖崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害のリスクがある。 ・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
崖・段丘崖 台地の縁にある極めて急な斜面や、山地や海岸沿いなどの岩場。 周辺では大雨や地震により、崖崩れなどの土砂災害のリスクがある。 ・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
地すべり地形 斜面が下方に移動し、斜面上部の崖と不規則な凹凸のある移動部分からなる土地。山体の一部が重力により滑ってできる。 大雨・雪解けにより多量の水分が土中に含まれたり、地震で揺れたりすることで、土地が滑って土砂災害を引き起こすことがある。 ・土地条件図(解説面)
・カラー空中写真判読基準カード集
台地・段丘 周囲より階段状に高くなった平坦な土地。周囲が侵食により削られて取り残されてできる。 河川氾濫のリスクはほとんどないが、河川との高さが小さい場合には注意。縁辺部の斜面近くでは崖崩れに注意。地盤は良く、地震の揺れや液状化のリスクは小さい。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
山麓堆積地形 山地や崖・段丘崖の下方にあり、山地より斜面の緩やかな土地。崖崩れや土石流などによって土砂が堆積してできる。 大雨により土石流が発生するリスクがある。地盤は不安定で、地震による崖崩れにも注意。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
扇状地 山地の谷の出口から扇状に広がる緩やかな斜面。谷口からの氾濫によって運ばれた土砂が堆積してできる。 山地からの出水による浸水や、谷口に近い場所では土石流のリスクがある。比較的地盤は良いため、地震の際には揺れにくい。下流部では液状化のリスクがある。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
自然堤防 現在や昔の河川に沿って細長く分布し、周囲より0.5~数メートル高い土地。河川が氾濫した場所に土砂が堆積してできる。 洪水に対しては比較的安全だが、大規模な洪水では浸水することがある。縁辺部では液状化のリスクがある。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
天井川 周囲の土地より河床が高い河川。人工的な河川堤防が築かれることで、固定された河床に土砂が堆積してできる。 ひとたび天井川の堤防が決壊すれば、氾濫流が周辺に一気に拡がるため注意が必要。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
砂州・砂丘 主に現在や昔の海岸・湖岸・河岸沿いにあり、周囲よりわずかに高い土地。波によって打ち上げられた砂や礫、風によって運ばれた砂が堆積することでできる。 通常の洪水では浸水を免れることが多い。縁辺部では強い地震によって液状化しやすい。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
凹地・浅い谷 台地や扇状地、砂丘などの中にあり、周辺と比べてわずかに低い土地。小規模な流水の働きや、周辺部に砂礫が堆積して相対的に低くなる等でできる。 大雨の際に一時的に雨水が集まりやすく、浸水のおそれがある。地盤は周囲(台地・段丘など)より軟弱な場合があり、とくに周辺が砂州・砂丘の場所では液状化のリスクがある。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
氾濫平野 起伏が小さく、低くて平坦な土地。洪水で運ばれた砂や泥などが河川周辺に堆積したり、過去の海底が干上がったりしてできる。 河川の氾濫に注意。地盤は海岸に近いほど軟弱で、地震の際にやや揺れやすい。液状化のリスクがある。沿岸部では高潮に注意。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
後背低地・湿地 主に氾濫平野の中にあり、周囲よりわずかに低い土地。洪水による砂や礫の堆積がほとんどなく、氾濫水に含まれる泥が堆積してできる。 河川の氾濫によって周囲よりも長期間浸水し、水はけが悪い。地盤が軟弱で、地震の際の揺れが大きくなりやすい。液状化のリスクがある。沿岸部では高潮に注意。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
旧河道 かつて河川の流路だった場所で、周囲よりもわずかに低い土地。流路の移動によって河川から切り離されて、その後に砂や泥などで埋められてできる。 河川の氾濫によって周囲よりも長期間浸水し、水はけが悪い。地盤が軟弱で、地震の際の揺れが大きくなりやすい。液状化のリスクが大きい。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
落堀 河川堤防沿いにある凹地状の土地。洪水のときに、堤防を越えた水によって地面が侵食されてできる。 河川の氾濫や堤防からの越水に注意。周囲の地盤に比べて軟弱なことが多く、液状化のリスクが大きい。 ・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
河川敷・浜 調査時の河川敷や、調査時または明治期等に浜辺、岩礁である土地。 河川の増水や高波で冠水する。河川敷は液状化のリスクが大きい。 ・土地条件図(解説面)
水部 調査時において、海や湖沼、河川などの水面である場所。 ・土地条件図(解説面)
旧水部 江戸時代または明治期から調査時までの間に海や湖、池・貯水池であり、過去の地形図などから水部であったと確認できる土地。その後の土砂の堆積や土木工事により陸地になったところ。 地盤が軟弱で、液状化のリスクが大きい。沿岸部では高潮に注意。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]

 ◆「地形分類(人工地形)」『詳細版』ズームレベル14~16
配色 地形分類 土地の成り立ち 地形から見た自然災害リスク 解説文引用資料等(リンク等)
切土地 山地、台地の縁などの斜面を切取りにより造成した土地。 切取り斜面によっては、大雨や地震により斜面崩壊のリスクがある。地盤は一般的に良好。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
農耕平坦化地 山地などを切り開いて整地した農耕地。 大雨や地震により崩壊するリスクがある。 ・土地条件図(解説面)
・1:25,000土地条件図の見方と使い方(国土地理院技術資料 D1-No.294)
高い盛土地 周辺よりも約2m以上盛土した造成地。主に海水面などの水部に土砂を投入して陸地にしたり、谷のような凹地を埋め立てて造成した土地。 海や湖沼、河川を埋め立てた場所では、強い地震の際に液状化のリスクがある。山間部の谷を埋め立てた造成地では、大雨や地震により地盤崩壊のリスクがある。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
干拓地 水面や低湿地を堤防で締め切って排水して、新たな陸地になった土地。過去の地形図や資料から、干拓されたことが確認できる場所。 一般に海・湖水面より低いため、洪水時に氾濫水が留まりやすい。沿岸部では特に高潮に対して注意が必要。地盤は軟弱で、地震による揺れも大きくなりやすい。液状化のリスクがある。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
盛土地・埋立地 周囲の地表より高く盛土した土地や、海水面などの水部に土砂を投入して陸地にしたり、谷のような凹地を埋め立てて造成した土地。 高さが十分でない場合には浸水のリスクがある。山地や台地では降雨・地震により地盤崩壊のリスクがある。低地では液状化のリスクがあり、海や湖沼・河川を埋め立てた場所では特に注意。 ・土地条件図(解説面)
・治水地形分類図解説書[PDF形式:3711KB]
大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドラインの解説[PDF形式:11843KB]
改変工事中 調査時に改変工事が行われていた土地。 ・土地条件図(解説面)

 ◆「地形分類(自然地形)」『地域版』ズームレベル9~13
配色 地形分類 土地の成り立ち 地形から見た自然災害リスク
山地 起伏が大きな尾根と谷からなる地形。地すべり地形を含む。 土砂災害に注意。
残丘状地形 周囲から孤立して突出した岩峰または台地状の地形(約260万年前よりも古い時代の火山岩からなるものに限る)。 土砂災害に注意。とくに周縁部の崖では、落石や斜面崩壊に注意。
カルスト地形 石灰岩が雨水で溶けてできた地形。尾根や谷が少なく、しばしば陥没地形がみられる。 地盤の陥没に注意。周縁部の崖では、落石や斜面崩壊に注意。
丘陵・小起伏地 起伏が小さな尾根と谷からなる地形。 土砂災害に注意。
火山地形(明瞭) 火山噴火によってできた急斜面のうち、比較的新しい時代にできた地形。溶岩流などの詳細な地形が多く残されている部分。地すべり地形を除く。 火山噴火、土砂災害に注意。
火山地形(やや不明瞭) 火山噴火によってできた急斜面のうち、比較的古い時代にできた地形。侵食作用によって削られて、火山の大まかな地形のみを残している部分。地すべり地形を除く。 土砂災害に注意。
火山性丘陵 火山噴出物や、火山から運ばれた土砂によってできた緩やかな斜面が、その後の侵食作用によって削られてできた地形。起伏が小さな尾根と谷からなる。 土砂災害に注意。
火山麓地形 火山噴出物や、火山から運ばれた土砂によってできた緩やかな斜面。比較的新しい時代の火砕流や火山斜面の侵食によって生じた土砂が堆積してできた地形。 火山噴火、土砂災害に注意。
台地・段丘 低地が隆起してできた台地状の地形。低地との境界などには侵食による崖(段丘崖)がみられることが多い。 段丘崖の周辺では、落石や崖崩れに注意。
低地 河川や海の流れによって運ばれた砂礫や泥が堆積してできた平坦地。または、その流れの侵食によってできた平坦地。 河川氾濫、高潮、液状化に注意。地震時に揺れやすい。
砂丘 風によって運ばれた砂が小高く堆積してできた地形。 周縁部や、周囲よりも低い場所では、液状化に注意。地震時に揺れやすい。
自然にできた湖。下流部が土砂や火山噴出物などで塞がれたり、土地が沈降したりしてできる。

 ◆「地形分類(自然地形)」『広域版』ズームレベル5~8
配色 地形分類 土地の成り立ち 地形から見た自然災害リスク
山地・丘陵 尾根と谷からなる地形。地すべり地形を含む。 土砂災害に注意。
火山地形 火山噴出物や、火山から運ばれた土砂によってできた地形。地すべり地形を除く。 火山噴火、土砂災害に注意。
台地・段丘 低地が隆起してできた台地状の地形。低地との境界などには侵食による崖(段丘崖)がみられることが多い。 段丘崖の周辺では、落石や崖崩れに注意。
低地 河川や海の流れによって運ばれた砂礫や泥が堆積してできた平坦地。または、その流れの侵食によってできた平坦地。 河川氾濫、高潮、液状化に注意。地震時に揺れやすい。
砂丘 風によって運ばれた砂が小高く堆積してできた地形。 周縁部や、周囲よりも低い場所では、液状化に注意。地震時に揺れやすい。
自然にできた湖。下流部が土砂や火山噴出物などで塞がれたり、土地が沈降したりしてできる。

ご利用上の注意

1.自然災害リスクは、地形分類項目ごとの一般的なリスクを表示しており、個別の場所のリスクを示しているものではありません。

2.地形分類の境界線は、作成当時の地形図にあわせて取得されているため、現在の地形図に合わないところがあります。また、地形分類の境界付近では、接している地形分類の性質を合わせもっている場合があります。

3.地形分類の取得基準は、それぞれのオリジナルデータごとに規定された作業要領に従っています。

公開の位置付け

地形分類データは、国土地理院研究基本計画に基づき、ベクトルタイル提供実験という位置付けで公開しています。 ベクトルタイル提供実験は、ベクトルタイル提供における技術的・施策的課題を国土地理院が把握するとともに、外部からの技術的な提案を受け取り、外部との技術的な議論を通じてベクトルタイルの適切な提供方法を研究開発することを目的にしています。

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