国土地理院研究評価委員会測地分科会 議事概要

1. 日時 平成12年10月13日(金)
2. 場所 建設省国土地理院関東地方測量部 地震予知連絡会会議室
3. 議事 1) 研究評価について
2) 「最近5年間の国土地理院の宇宙測地に関する研究」について
3) その他
4. 資料 1) 「最近5年間の国土地理院の宇宙測地に関する研究」
2) 平成7年~10年度 学会発表・講演等一覧、論文・報告等一覧
3) 主な発表論文
5. 出席者 分科会主査 竹本修三 京都大学大学院理学研究科教授
分科会委員 川崎一朗 富山大学理学部教授
分科会委員 河野宣之 国立天文台地球回転研究系主幹・教授
国土地理院 海津 優 地理地殻活動研究センター長
国土地理院 熊木洋太 地理地殻活動研究センター研究管理課長
国土地理院 松坂 茂 地理地殻活動研究センター宇宙測地研究室長
国土地理院 齊藤 隆 企画部研究企画官
6. 議事概要 1) 研究企画官から、研究評価についての説明。
2) 宇宙測地研究室長から、「最近5年間の国土地理院の宇宙測地に関する研究」について説明
3) 質疑応答  (○分科会委員 ●国土地理院)
GPSから広域な話ができたらVLBIは必要ないのか?
GPSは緯度方向には高い分解能を持つが経度方向はあまりよくない。経度方向についてはVLBIが圧倒的に強いということがあり、単純にはいかない。
GPSの経験は20年程度であり、もっと永年的に軌道要素を変化させるようなものが存在しているのではないか。
天文力学自体は、かなり完成されたものである。我々が知らない摂動のようなものはあり得る。軌道に関することは永遠の課題として残る。
海外の機関との関係(CORE,NASA,ITRF等)では、国土地理院が責任を持って今後行ってゆく必要がある。
通総研と国土地理院の間でのVLBIに関する共同研究的なものはあるか。
通総研ではリアルタイムVLBIとかインターネットを利用したVLBI等の実験的な観測を行っており、我々はそれに参加している。
広い分野の研究を行っているが何人くらいでやっているのか。
宇宙測地に限ると研究員5名で、測地部や観測センターの職員にも協力してもらいながら行っている。
中国東部でGPSのネットワークを作りたい意向がある。国土地理院が協力する必要があるのではないか。また、GPSネットワーク対応の解析ソフトを国土地理院として作成して行く必要があるのではないか。
GPSデータ圧縮標準フォーマットを提唱し、現在世の中で使用されている。このような形での貢献は行ってきている。
GPSの精度向上に関する研究は、ある程度山を越えたと考えているか。
補正をすれば良いということが解った。ある程度山を越えたと考える。
GPS気象学は、分野を越えていろいろ成果が出ている。共同研究の成功例といえる。
干渉SARは、VLBIやGPS関係の研究と比較してどうウェイトを置いているのか。
GPSについては、既にルーチン的に行っている部分もあり、開発研究はむしろSARの方に力が入っている。
干渉SARについては、もっと力を入れて研究しても良い。平面的な変化について、一目瞭然に変化が見て取れる。もう少し技術的に進めてほしい。
地球ダイナミクスについては、地球規模のいろいろな変動を検出し成果をだしている。また、西南日本の速度場に関する研究で今迄になかった新しい研究成果が得られ、これは目玉の一つだ。
地球物理学の領域で国土地理院の貢献度は非常に大きい。社会に対する貢献度についても充分評価できる。学会・論文発表は、大学の一人当たりの論文生産数に比べても多い。中堅の人達が頑張っているようだが、若手は入ってきているか。
年間3名程度。地球物理系だけでなく、電気、地質、情報等さまざまだ。
研究職になると、地理地殻活動研究センターに長い期間いられるのか。
頻繁に配置換えするということはない。
オーバードクターのような制度の活用や拡張等を行い、人的資源の確保は国土地理院でも考えた方がよい。
科技庁の特別研究員制度や部外研究員制度等を使っているが、なかなか数的には増えない。
過去5年間でGPS観測網、VLBI観測網等のハード面で環境は整い、精度に関する検討も進んでいる。不十分なところは、クラスター結合に関する全体像についてか。残された課題は、合成開口レーダーや航空機SARに関することがある。成果活用については、地盤沈下や防災等に繋がる成果を得ている。測地基準系に関しては、社会生活に貢献する要素がある。後継者育成のための教育システムについてはどうか。
国の研究機関だから一生そこで働くということでなく、流動性を考え、人的交流を含めて日本全体に貢献するということが必要。
国土地理院の財産を有効に活用するために大学との共同研究を推進する必要がある。大学も今変わろうとしている。従来の枠にとらわれない新しいことを考えざるを得ない。
アメリカ等では新しいプロジェクトが次々にでてきているが、国土地理院としては全く対象外と思っているのか。いずれ取り組む必要があると思っているのか。
純粋に学術的なことだけというと厳しいが、全く対象外ではない。
成果の活用という意味でGISと測地成果2000とは、どう繋がっているのか。
GISに関しては、国連のGIS関係の委員会がポジショニングに関する分科会を持っており、これで繋がっている。研究センターでは、GISについては地理情報解析研究室が直接的に関わっている。また、地殻変動研究室でも地殻変動GISということでGIS技術を活用するという立場から関わっている。
4) 研究評価について

 別紙、研究課題事後評価書