口永良部島の地殻変動(2023年6月30日~2024年4月26日)

概要

2023年6月27日に噴火警戒レベルが3(入山規制)に引上げられた口永良部島について、だいち2号の観測データを使用し、解析を実施しました。

  • 干渉SAR時系列解析結果では、古岳の地点B周辺に2023年5月以降、衛星に近づく変動が見られていましたが、 2023年9月以降、ノイズレベルを超える変動は見られません(図1)。
  • 干渉SAR時系列解析結果を用いた2.5次元解析結果では、2023年5月から9月までに古岳山頂付近に膨張を示す変動が見られました(図2、3)。

解析結果【速報】

干渉SAR時系列解析結果

2021年12月24日~2024年4月26日の観測データを用いた干渉SAR時系列解析結果
図1 2021年12月24日~2024年4月26日の観測データを用いた干渉SAR時系列解析結果(時系列解析とは
※詳細はこちらをご覧下さい。(PDF形式:503KB)


2.5次元解析結果

干渉時系列解析結果(図1)から得られる2023年7月8日~2023年8月7日の変動量及び2022年10月21日~2023年6月30日の干渉解析結果を用いた2.5次元解析結果
図2 干渉SAR時系列解析結果(図1)から得られる2023年4月14日~2023年7月7日の変動量及び2022年10月21日~2023年6月30日の干渉解析結果を用いた2.5次元解析結果(2.5次元解析とは

南行・北行観測による干渉SAR時系列解析結果から得られる2023年7月7日~2023年9月15日の変動量※を用いた2.5次元解析結果
図3 南行・北行観測による干渉SAR時系列解析結果から得られる2023年7月7日~2023年9月15日の変動量※を用いた2.5次元解析結果(2.5次元解析とは
※詳細はこちらをご覧下さい。(PDF形式:436KB)



解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA

※今回の結果は速報であり、より詳細な分析等により、今後内容が更新されることがあります。
※干渉SARの精度は一般的には数cm 程度とされています。また、衛星の観測条件が異なる場合、同じ地殻変動であっても、解析結果の見え方に違いが生じます。
※SARで用いられる電波は噴煙を透過するため、噴火中であっても火山の地形変化の状況を把握することができます。
※火口など急峻な地形では、斜面の傾斜と電波の入射角によって見かけの変動が生じる場合があります。
※本解析で使用したデータの一部は、火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。
※対流圏遅延補正には、気象庁数値予報格子点データを使用しています。

〇参考資料
SAR 干渉解析の原理(PDF形式:880KB)
非干渉(砂をまいたようなざらざらした模様)とは
衛星進行方向と電波照射方向による見え方の違い(PDF形式:100KB)
国土地理院の干渉SAR ホームページ
SAR 干渉画像の誤差
時系列解析とは
2.5次元解析とは

添付資料

資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の干渉SAR時系列解析結果(南行)(2024年4月30日発表) (PDF形式:503KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2024年4月30日発表) (PDF形式344KB)
添付資料を全て表示

問い合わせ先

国土地理院測地部
宇宙測地課長
栗原 忍 TEL029-864-4813(直通)

国土地理院地理地殻活動研究センター
地殻変動研究室長
宗包 浩志 TEL029-864-6925(直通)

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