電子基準点786点で観測したガリレオ(欧州連合の測位衛星)の信号及びGPSの新たな信号を含むデータの提供を開始します

発表日時:2016年3月31日(木) 14時00分

高精度な衛星測量のための環境が向上

 国土地理院は4月1日(金)13時より、電子基準点786点で観測したガリレオ(欧州連合の測位衛星)の信号及びGPSの新たな周波数信号(L5)を含むデータの提供を国土地理院ウェブサイトで開始します。  
 従来の測位衛星(GPS、準天頂衛星、グロナス)に加えてガリレオのデータも利用することにより、都市部や山間部で測量できる場所が広がります。また、GPSのL5信号を利用することにより、測量時間を短縮することが可能です。  

 国土地理院は、全国約1,300点の電子基準点において測位衛星の観測を行い、そのデータを解析して地殻変動を監視するとともに、我が国で行われる衛星測量のための観測データを提供しています(資料1)。
 これまではGPS(米国)、準天頂衛星システム(日本)、グロナス(ロシアの測位衛星)のデータを提供してきましたが、4月1日(金)13時より、ガリレオ(欧州連合の測位衛星)及びGPSの新たな周波数信号(L5※1)を受信する準備が整った786点の電子基準点(資料2)から、ガリレオの信号やGPSのL5信号を含む観測データの提供を開始します。
 今回の提供開始により、電子基準点を用いた衛星測量において従来のGPS、準天頂衛星システム、グロナスにガリレオを加えた複数の衛星測位システム(「GNSS」※2と総称)を利用できるようになり、ビルや樹木等の障害物により衛星信号が受信しにくい都市部や山間部でも、使用可能な衛星の数が増えることによって、測量ができる場所が広がると期待されます。また従来のGPSの信号(L1及びL2)に加えて新しいL5信号も利用できるようになるため、今までより短い観測時間で従来と変わらない高精度な測量を行うことができるようになります。将来的には、i-Constructionの要となる情報化施工に不可欠な技術であるリアルタイム測量の安定性が向上することも期待されます。
 残り約500点の電子基準点についても、今後3年間程度を目途に順次対応を進め、ガリレオの信号及びGPSのL5信号のデータ提供を進めていく予定です。


 ※1 L5:GPSの信号の種類。L1は周波数1575.42MHz、L2は周波数1227.60MHz、L5は周波数1176.45MHzの電波。
 ※2 GNSS:Global Navigation Satellite Systemの略。米国のGPS及び日本の準天頂衛星システム、ロシアのグロナス、欧州連合のガリレオ等の衛星測位システムがある。


データ提供ページURL http://terras.gsi.go.jp
データの利用ページURL http://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/multignss/

資料

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土交通省国土地理院 測地観測センター
 衛星測地課長 畑中雄樹 029-864-6951(直通)
 専門調査官 後藤 清  029-864-4811(直通) 029-864-6864(FAX)

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