最終更新日:2019年7月25日

1:25,000活断層図「立山」「有峰湖」「船津」「白木峰」「飛騨古川」「白川村」

牛首断層帯及び跡津川断層帯とその周辺

位置図

位置図 1:25,000活断層図 牛首断層帯及び跡津川断層帯とその周辺

1:25,000活断層図「立山」の概要

1:25,000活断層図 立山
断層索引図 立山        1:25,000活断層図「立山」(画像をクリックすると、「地理院地図」による閲覧ができます。)

今回の調査で得られたこと

 「立山(たてやま)」図葉には、早乙女(さおとめ)(だけ)断層約8km、跡津川(あとつがわ)断層約8km、弥陀(みだ)ヶ原(がはら)断層約6km、スゴ(たに)断層約7km、奥大日岳(おくだいにちだけ)断層約4km、新たに確認された活断層(真砂沢(まさごさわ)断層)約3km一ノ越(いちのこし)断層約2kmと、その他の推定活断層を表示しています。
 表示した活断層は、以下のとおりです。
断層名 断層について
1 早乙女(さおとめ)(だけ)断層 図郭北端から富山県上市町と立山町との境界付近に位置する登山研修所冬山前進基地(図郭西端)まで、おおむね北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約8kmの右横ずれを主体とする活断層です。
小又川より東側の区間では、相対的に北西側隆起(南東落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
2 跡津川(あとつがわ)断層 立山町と富山市の境付近に位置する刈込池の北西から富山市の「真川の跡津川断層」(天然記念物)の南西(図郭西端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約8kmの活断層です。
右横ずれを主体とし、一部縦ずれ変位を含んでおり、真川の水力取入口付近から、北東方向に分岐する長さ約2kmの活断層が確認できます。
3 弥陀(みだ)ヶ原(がはら)断層 立山町の国見岳の北から同町の弥陀ヶ原付近まで、東北東-西南西方向に延びる長さ約6kmの右横ずれを主体とする活断層です。
断層の東端から西へ約4kmまでの区間は、相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位を伴い左雁行する三条の断層線が断続的に確認できます。
関西学院大ヒュッテの南付近から西側では、相対的に南側隆起(北落ち)及び相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位を伴い左雁行する三条の断層線が認められ、一部には右横ずれ変位も確認できます。また、この断層トレースから南西方向へ長さ約1kmの活断層が分岐し、その中央付近では相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
4 スゴ(たに)断層 富山市の越中沢岳(えっちゅうざわだけ)の西から図郭西端まで、概ね東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約7kmの活断層です。
中央部のスゴ(いち)(だに)上流部で相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位が確認できるとともに、断層の東側では右横ずれ変位が確認できます。
5 奥大日岳(おくだいにちだけ)断層 富山県上市町と立山町の境付近に位置する奥大日岳の北西から室堂乗越(むろどうのっこし)付近まで、北西-南東方向に延びる長さ約4kmの活断層です。
奥大日岳付近では、相対的に北東側隆起(南西落ち)の縦ずれ及び左横ずれの変位が確認できます。
6 新たに確認された活断層
真砂沢(まさごさわ)断層
奥大日岳断層の南東端から東へ約1kmの剱御前小舎付近から真砂岳の東方まで、西北西-東南東方向に延びる長さ約3kmの活断層です。
今回の調査で新たに確認された活断層であり、真砂岳北斜面の真砂沢谷底の氷成堆積物堆積面(氷河により運搬され、氷河から直接放出された未固結の堆積物からなる地形面)を変位させていることから真砂沢断層と命名しました。
真砂沢谷底の氷成堆積物堆積面や真砂岳北東の山地斜面に、地形の傾斜方向とは逆向きの相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
7 一ノ越(いちのこし)断層 奥大日岳断層の南東端から南東へ約1kmの野営場管理所付近から一ノ越付近まで、北北西-南南東方向に延びる長さ約2kmの活断層です。
断層の中央付近では、地形の傾斜方向とは逆向きの相対的に西側隆起(東落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
注:断層の長さは本図に表示されている範囲です。
」は参考資料2の「7.用語の説明」を参照

地理院地図で活断層図「立山」を見る。
活断層図「立山」の解説書を読む。

1:25,000活断層図「有峰湖」の概要

1:25,000活断層図 有峰湖
断層索引図 有峰湖        1:25,000活断層図「有峰湖」(画像をクリックすると、「地理院地図」による閲覧ができます。)

今回の調査で得られたこと

 「有峰湖」図葉には牛首(うしくび)断層約18km、早乙女(さおとめ)(だけ)断層約6km、万波峠(まんなみとうげ)茂住(もずみ)祐延(すけのぶ)断層約24km、跡津川(あとつがわ)断層約15km、スゴ(たに)断層約2kmと、その他の推定活断層を表示しています。
 表示した活断層は、以下のとおりです。
断層名 断層について
1 牛首(うしくび)断層 常願寺川の左岸に位置する富山市本宮(ほんぐう)付近から、神通川付近(図郭西端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約18kmの活断層で、右横ずれを主体とし、一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
断層東端の区間において新たに活断層を確認し、断層が二条に分岐するとともに北東への延長が確認されました(位置図中a、b)。
a区間では、和田川左岸西方及び富山地方鉄道立山線の本宮駅南方の山地斜面上に谷線の右屈曲が確認でき、本宮駅東方には地形の傾斜方向とは逆向きの相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
b区間では、小口川(こぐちがわ)ダム西方から和田川左岸まで数条の系統的な谷線の右屈曲が確認され、立山山麓スキー場がのる扇状地上には地形の傾斜方向とは逆向きの相対的に北側隆起(南落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
2 早乙女(さおとめ)(だけ)断層 常願寺川の支流に位置する人津谷(ひとづだに)の上流付近(図郭北東端)から立山町の千寿ケ原まで、概ね北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約6kmの右横ずれを主体とする活断層です。
3 万波峠(まんなみとうげ)茂住(もずみ)祐延(すけのぶ)断層 富山市の大坂森山の北東(図郭東端付近)から岐阜県飛騨市の神岡町杉山の西(図郭西端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約24kmの活断層で、右横ずれを主体とし一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
4 跡津川(あとつがわ)断層 富山市の大坂森山の東(図郭東端)から富山市と飛騨市の境界に位置する横岳の南(図郭南端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約15kmの右横ずれを主体とする活断層です。有峰湖(ありみねこ)西岸の山地斜面(宝来島(ほうらいじま)の北西)に、地形の傾斜方向とは逆向きの相対的に南東側隆起(北西落ち)の縦ずれ変位が確認できます。
5 スゴ(たに)断層 真川(図郭東端)から猪ノ根谷付近まで、概ね東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約2kmの活断層で、右横ずれ変位が確認できます。
注:断層の長さは本図に表示されている範囲です。
」は参考資料2の「7.用語の説明」を参照

地理院地図で活断層図「有峰湖」を見る。
活断層図「有峰湖」の解説書を読む。

1:25,000活断層図「船津」の概要

1:25,000活断層図 船津
断層索引図 船津        1:25,000活断層図「船津」(画像をクリックすると、「地理院地図」による閲覧ができます。)

今回の調査で得られたこと

 「船津(ふなつ)」図葉には、跡津川(あとつがわ)断層約13km、数河(すごう)断層約3km、太江(たいえ)断層約3kmと、その他の推定活断層を表示しています。
 表示した活断層は、以下のとおりです。
断層名 断層について
1 跡津川(あとつがわ)断層 岐阜県飛騨市神岡町大多和付近から同市神岡町東漆山(ひがしうるしやま)西方まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約13kmの活断層で、右横ずれを主体とし、一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
また、飛騨市神岡町大多和付近及び同市神岡町佐古付近に左雁行が確認され、同市神岡町西漆山付近に主断層の北西側に並行する長さ約2kmの断層線が確認できます。
2 数河(すごう)断層 飛騨市神岡町寺林付近から図葉西端の同市神岡町伏方(ふせがた)付近まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約3kmの活断層で、右横ずれ変位が確認できます。
3 太江(たいえ)断層 岐阜県高山市荒原付近から図葉西端の飛騨市神岡町巣山付近まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約3kmの活断層で、右横ずれ変位が確認できます。
注:断層の長さは本図に表示されている範囲です。
」は参考資料2の「7.用語の説明」を参照

地理院地図で活断層図「船津」を見る。
活断層図「船津」の解説書を読む。

1:25,000活断層図「白木峰」の概要

1:25,000活断層図 白木峰
断層索引図 白木峰        1:25,000活断層図「白木峰」(画像をクリックすると、「地理院地図」による閲覧ができます。)

今回の調査で得られたこと

 「白木峰(しろきみね)」図葉には、牛首(うしくび)断層約21km万波峠(まんなみとうげ)茂住(もずみ)祐延(すけのぶ)断層約16km、跡津川(あとつがわ)断層約1kmと、その他の推定活断層を表示しています。
 表示した活断層は、以下のとおりです。
断層名 断層について
1 牛首(うしくび)断層 神通川の右岸に位置する富山市吉野付近から岐阜県飛騨市の原山本谷の西(図郭南端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約21kmの右横ずれを主体とした活断層です。
富山市吉野付近から延びる断層線は、飛騨市の大坂谷付近で南側に位置を変え図郭南端まで延びています。
2 万波峠(まんなみとうげ)茂住(もずみ)祐延(すけのぶ)断層 飛騨市のソンボ山の北東(図郭東端)から牛首断層との分岐部まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約16kmの右横ずれを主体とした活断層です。
飛騨市宮川町巣納谷(すのだに)付近からソンボ山北方の区間は、今回新たに活断層として確認されました。この区間の西側の万波峠断層と東側の茂住祐延断層が連続したことにより、名称を万波峠-茂住祐延断層としました。
飛騨市の万波峠の南側には、主断層に並行して谷線の右屈曲を伴った推定活断層が確認できます。
3 跡津川(あとつがわ)断層 飛騨市池ヶ原湿原付近(図郭の南東端部分)に位置し、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約1kmの活断層で、北西側に推定活断層が並走しています。
注:断層の長さは本図に表示されている範囲です。
」は参考資料2の「7.用語の説明」を参照

地理院地図で活断層図「白木峰」を見る。
活断層図「白木峰」の解説書を読む。

1:25,000活断層図「飛騨古川」の概要

1:25,000活断層図 飛騨古川
断層索引図 飛騨古川        1:25,000活断層図「飛騨古川」(画像をクリックすると、「地理院地図」による閲覧ができます。)

今回の調査で得られたこと

 「飛騨(ひだ)古川(ふるかわ)」図葉には、牛首(うしくび)断層約8km、跡津川(あとつがわ)断層約24km、数河(すごう)断層約11km、太江(たいえ)断層約8km、稲越(いなごえ)断層約12km、畦畑(うねはた)断層約8km、夏厩(なつまや)断層約2kmと、その他の推定活断層を表示しています。
 表示した活断層は、以下のとおりです。
断層名 断層について
1 牛首(うしくび)断層 岐阜県飛騨市を通る国道471号線の(しゅう)(とうげ)の北方(図郭北端)から富山県南砺市利賀村水無の南西(図郭西端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約8kmの活断層で、右横ずれを主体とし、一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
2 跡津川(あとつがわ)断層 飛騨市の池ヶ原湿原(図郭北端)から同市河合町天生(あもう)の西(図郭西端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約24kmの活断層で、右横ずれを主体とし、一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
飛騨市宮川町丸山の北方及び同市宮川町西忍(にししのび)付近では、主断層に並行する長さ約2km及び約1kmの断層線が確認できます。
3 数河(すごう)断層 飛騨市神岡町伏方(ふせがた)(図郭東端)から同市古川町野口付近まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約11kmの活断層で、一部区間に右横ずれ変位が確認できます。
4 太江(たいえ)断層 図郭東端の飛騨市神岡町柏原(かしはら)付近から同市古川町杉崎付近まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約8kmの活断層で、一部区間に右横ずれ変位が確認できます。
飛騨市上太江の東から北東方向に分岐する断層線が確認できます。
5 稲越(いなごえ)断層 飛騨市古川町谷の西から東海北陸自動車道の飛騨河合パーキングエリア付近(図郭西端)まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約12kmの右横ずれを主体とする活断層です。
飛騨市宮ノ脇(みやのわき)で主断層から南西へ分岐する断層線が確認できます。
6 畦畑(うねはた)断層 宮川右岸の飛騨市古川町宮城町から高山市小鳥山(おどりやま)(図郭南端)まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約8kmの活断層で、右横ずれを主体とし、一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
7 夏厩(なつまや)断層 宮川右岸の高山市国府町名張付近から同市国府町宇津江の南(図郭南端)まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約2kmの右横ずれを主体とする活断層です。
注:断層の長さは本図に表示されている範囲です。
」は参考資料2の「7.用語の説明」を参照

地理院地図で活断層図「飛騨古川」を見る。
活断層図「飛騨古川」の解説書を読む。

1:25,000活断層図「白川村」の概要

1:25,000活断層図 白川村
断層索引図 白川村        1:25,000活断層図「白川村」(画像をクリックすると、「地理院地図」による閲覧ができます。)

今回の調査で得られたこと

 「白川村(しらかわむら)」図葉には、牛首(うしくび)断層約11km、跡津川(あとつがわ)断層約6km、加須良(かずら)断層約9km、白川(しらかわ)断層約14km、森茂(もりも)断層約6km、稲越(いなごえ)断層約2km、高山市栗ヶ岳南方の断層約1kmと、その他の推定活断層を表示しています。
 表示した活断層は、以下のとおりです。
断層名 断層について
1 牛首(うしくび)断層 富山県南砺市の利賀川ダム(図郭東端)から岐阜県白川村のゾウゾウ山の東まで、北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約11kmの活断層で、一部区間に右横ずれ及び縦ずれ変位が確認できます。
2 跡津川(あとつがわ)断層 岐阜県飛騨市の金山谷の北東(図郭東端)から籾糠山(もみぬかやま)の北まで、東北東-西南西方向に延びる本図葉内の長さ約6kmの活断層です。
図郭東端から長さ約3kmの活断層が延び、活断層の西端部及び金山谷付近からは、ほぼ東西方向に並行して延びる長さ約1kmから約3kmの数条の推定活断層が確認できます。
3 加須良(かずら)断層 富山県南砺市と岐阜県白川村の境界に位置する桂湖(図郭北端)から白川村馬狩(まがり)まで、北北西-南南東方向に延びる本図葉内の長さ約9kmの活断層で、一部区間に左横ずれ及び縦ずれ変位が確認できます。
蓮如岩(れんにょいわ)付近から南東方向へ卒塔婆(そとば)峠の北まで延びる区間は活断層となっており、南南東方向の白川村馬狩まで延びる区間は推定活断層となっています。
4 白川(しらかわ)断層 白川村のゾウゾウ山の北の庄川左岸付近から同村平瀬(図郭南端)まで、ほぼ南北方向に延びる本図葉内の長さ約14kmの活断層で、一部区間に縦ずれ変位が確認できます。
5 森茂(もりも)断層 白川村の帰雲山(かえりくもやま)の南東から高山市の一ノ谷の東付近まで、北西-南東方向に延びる本図葉内の長さ約6kmの活断層で、一部区間に左横ずれ及び縦ずれ変位が確認できます。
6 稲越(いなごえ)断層 飛騨市の栗ヶ谷(くりがだに)川に沿って北東-南西方向に延びる本図葉内の長さ約2kmの右横ずれを主体とする活断層です。
7 高山市栗ヶ岳南方の断層 岐阜県高山市の栗ヶ岳(くりがだけ)南方(本図の南東端部分)に位置し、北東から南西方向に延びる本図葉内の長さ約1kmの活断層で、東端部に右横ずれ変位が確認できます。
注:断層の長さは本図に表示されている範囲です。
」は参考資料2の「7.用語の説明」を参照

地理院地図で活断層図「白川村」を見る。
活断層図「白川村」の解説書を読む。