令和5年3月の地殻変動

発表日時:2023年4月10日(月)16時00分

全国の地殻変動概況

 国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2023年2月下旬から2023年3月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
 火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス

  • 四国中部では、2019年春頃からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙8)
  • 九州南部では、2023年初頭からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙9)
  • 石川県能登地方では、2020年12月頃から「能都」で南南西方向の変動が、「珠洲」で隆起が見られるなど、この地域の地震活動とほぼ同期して地殻変動が観測されています。(別紙10)
  • 浅間山では、「東部」―「S浅間山1」等の基線で2023年3月頃からわずかな伸びが見られます。(別紙11)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」で南向きの変動が継続しています。(別紙12)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘に見られる変動以外に特段の変化は見られません。(別紙13)
  • 阿蘇山周辺では、阿蘇山を取り囲む基線で、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙14)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」等の基線で、2023年1月頃からわずかな伸びが見られます。桜島島内の「桜島」-「鹿児島2」等の基線で、2023年1月頃からわずかな伸びが見られます。(別紙15)
  • 薩摩硫黄島では、「鹿児島三島」で2023年1月頃から西向きのわずかな変動が見られます。(別紙16)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙17)

補足説明

  • 全国の1年間(2022年3月下旬から2023年3月下旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙18)
    ・東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    ・硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    ・その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧

出典

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(出典記載例) 「出典:国土地理院」

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
測地観測センター            地殻監視課長              芝 公成 (029-864-5971)
地理地殻活動研究センター      地理地殻活動総括研究官      矢来 博司 (029-864-2477)

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