令和2年11月の地殻変動

発表日時:2020年12月8日(火)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2020年10月中旬から2020年11月中旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
 火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス

  • GNSS観測によると、2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙8)
  • GNSS観測によると、2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙9)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙10)
  • 浅間山周辺では、2020年7月頃から、「東部」-「嬬恋」等の基線で見られていたわずかな伸びは、8月上旬頃からほぼ停滞しています。(別紙11)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙12)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘の周辺の広範囲で衛星から遠ざかる変動が見られます。また、火砕丘の北東斜面で変動が見られます。(別紙13)
  • 霧島山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙14)
  • 桜島周辺では、2019年10月下旬頃から鹿児島(錦江)湾を挟む「垂水」-「隼人」等の基線で見られていたわずかな伸びは、2020年10月頃から停滞しています。桜島島内の基線の変動は2020年4月頃からほぼ停滞しています。(別紙15)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
  • 口永良部島では、2020年8月頃から「口永良部島」でわずかな沈降が見られ、「枕崎」-「口永良部島」でわずかな伸びが見られます。(別紙17)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2019年11月中旬から2020年11月中旬まで、別紙19)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地理地殻活動総括研究官  黒石 裕樹    (029-864-2477)
測地観測センター      地殻監視課長       仲井 博之    (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官        和田 弘人    (029-864-4825)
                                  FAX 029-864-8381

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