講評

(1) 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震域の地殻変動特性に関する研究」の事前評価
3年間でこれら地域すべての地殻変動特性が明らかになるということではないが、地震サイクルの異なるステージにおける特性は確認できると予想されるので、ぜひ推進されたい。

(2) 「火山変動監視観測網の最適化に関する研究」の事前評価
今の観測ネットワークを有効に活用して、できるだけ早い形で良い成果が出ることを期待し、評価したい。

(3) 「測地基準系精密保持手法に関する研究」の事前評価
日本及び世界の宇宙測地基準局であるつくばの基準点の地盤上下変動を精密に保持することはたいへん重要であり、推進されたい。

(4) 「国土の時系列地図情報の高度利用に関する研究」の事前評価
国土地理院の貴重な資産を使い風土・景観を復元する研究は、非常に有意義であり推進されたい。

(5) 「東アジア・太平洋地域のプレート運動及びプレート内部変形の様式に関する国際共同研究」の中間評価
太平洋観測網の欠測率の対策、非潮汐性海洋加重による変形の補正の検討、また、より積極的なデータ取得の推進などを期待する。継続して最後までやっていただきたい。

全体として

  • 基礎研究と事業との関係を明確にされたい。また、研究を進めるにあたってはマネージメントが重要であるので、考慮されたい。
  • 地理院が得たデータは積極的に公表されたい。