平成13年度 第2回 国土地理院研究評価委員会(講評)

講評

主な講評の概要は以下のとおり。


(1)東海地方の地殻変動の把握手法の高度化に関する研究及び宮城県沖想定震源域におけるプレート間カップリングの時間変化推定に関する研究
 ・2つの研究課題とも非常にタイムリーで、地理院の研究として進めてほしい。
 ・東海沖におけるGPSの点を増やして精密に観測し、東北日本において各種のデータを揃えて、ぜひともこの部分の研究を行ってほしい。

(2)日本列島周辺のスローアースクエイクの地殻変動データによる検出に関する研究
 ・非常に良い成果を上げた。
 ・一部発生メカニズムを明らかにできなかったが、一応の成果が得られた。
 ・測地分科会の案のとおりで評価書とする。

(3)合成開口レーダの解析モデルに関する研究
 ・補正の必要性を見出したことは重要である。
 ・今後の研究ではインバージョンに組み込む改善方法も見出している。
 ・パソコンの処理を可能にし、航空機の問題についても限界を明らかにした点は有意義であった。
 ・測地分科会の案を一部修正した上で評価書とする。

(4)VLBIとGPSの高精度コロケーションに関する研究
 ・完全に結果は出ていないが、今後の基盤を作ったことは評価できる。
 ・今後も続けて国際的にも競争できるような成果に仕立ててほしい。
 ・測地分科会の案のとおりで評価書とする。

(5)多次元GISによる地理情報解析に関する研究
 ・モデルケースからいろいろな解析データを得ているが必ずしも横断的に整理していない。
 ・基礎的な点をもう少し十分掘り下げた上で今後は取り組んでほしい。
 ・地理分科会の案のとおりで評価書とする。

(6)その他
 ・基礎的なデータ収集にまで踏み込んで提言することが大切である。
 ・各研究課題間でお互いにチェックするような研究があっても良い。
 ・初めからもう少しテーマを絞って研究に取り組めば、成果が上がりかつ評価もしやすい。
 ・成果がジャーナルになるには時間がかかるため、評価方法に少し弾力性を持たせるべきである。
 ・本当に挑戦的なテーマを特別研究として取り組み、本当の評価を得るには10年も15年もかかるような研究にも挑戦してほしい。
 ・評価にあたっては長期的視野に立った情報が必要で、その辺をもう少し工夫すべきである。