多次元GISによる地理情報解析に関する研究
研究課題事後評価書
提案課・室名 |
課・室名 : 地理情報解析研究室 |
研究課題名 |
多次元GISによる地理情報解析に関する研究 |
予算 |
地理地殻活動の研究に必要な経費 特別研究費 (総額)5,032千円 |
研究期間 |
平成 10 年 4 月 ~ 平成 13 年 3 月 ( 3 年間) |
分科会委員 |
〇大森博雄 細村 宰 厳 綱 林 |
1.成果の概要 |
I.地震(兵庫県南部地震による宅地の地震災害と宅地化年代の関係)・火山(雲仙火山東麓・水無川流域の地形 変化)・水害(中川・綾瀬川流域の浸水危険区域と土地利用変化の関係)をモデルケースとし、GIS(土地利用デー タ、地形データなど)を用いて災害被害等の時間的および空間的変化(多次元)を解析し、有意義な変化パターンを確 認した。 |
2.当初目標の達成度 |
災害・防災に関する空間情報を時系列的に解析する手法に関して、事例研究を行うことを目標としている。当初計画 通り、解析事例を3例採り上げ、実施した。 |
3.達成度が不十分な場合の要因分析 |
多次元データの定義や解析手法が「空間情報科学」で整理されていないこと事例研究に時間が割かれ、事例研究の 成果を横断的に整理することが少なかった。 |
4.成果公表状況 |
学会発表:3回、原著論文:2編(内、1編は投稿中)、その他の報告書:3編 |
5.成果活用の見込み |
本研究で実践した多次元データの解析手法は、地理院の事業における災害危険度評価での活用が見込まれる。 |
6.残された課題と新たな研究開発の方向 |
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7.その他、課題内容に応じ必要な事項 |
災害と土地利用変化等との関係の検討(兵庫県地震災害および中川・綾瀬川の水災害)では、「見かけの関係」が 抽出され、「真の関係(土地条件など)」が究明されていない可能性がある。すなわち、開発や土地利用の変化は土地 条件そのもの(沖積低地・台地の区分、自然堤防・後背湿地の区分等の地形・地盤条件など)に規定されていることが 多い。「見かけの関係」だけの検討では、適切な将来予測ができないことがあるので注意を要する。 |
総合評価 1.十分な成果 〇2.一部不満足 3.部分的成果 4.失敗
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