VLBIとGPSの高精度コロケーションに関する研究

研究課題事後評価書

(評価委員が記入)
提案課・室名
問合せ先
課・室名 : 地理地殻活動研究センター宇宙測地研究室
TEL:0298-64-4832   FAX:0298-64-2655
代表担当者:宇宙測地研究室長・松坂 茂
研究課題名 VLBIとGPSの高精度コロケーションに関する研究
予算 地理地殻活動の研究に必要な経費 特別研究経費  (総額)4,594千円
研究期間 平成11年4月 ~ 平成13年3月 (2年間)
分科会委員 ◯竹本修三 川崎一朗 河野宣之
1.成果の概要 VLBIとGPSの高精度コロケーションには、(1)VLBIアンテナ中心とGPSアンテナ位相中心の相対位置の測定、(2)種々の原因による各アンテナ内光路長変化の解明、(3)座標系の違い、(4)解析プログラムの違い等、多くの実験と解析を必要とする。従って、そもそも本研究の期間(2年間)ですべて解決できる課題ではないが、本研究では、コロケーション手法の確立及びプログラムの開発に関して一定の成果を得た。副産物として特許取得は評価でき、今後もこのような成果を期待する。
2.当初目標の達成度 VLBIとGPSのコロケーションに関する基本的な問題点を明らかにすることはほぼ達成できたが、両技術の互換性をmmレベルで確立するという目標の達成度は50%程度である。本研究は、高精度基準座標系の構築などグローバル測地学の根底に関わる課題であることに鑑み、中・長期の研究課題として目標設定、実施が望まれる。
3.達成度が不十分な場合の要因分析 1 で述べたが、経費、労力、時間を要する課題であり、中・長期計画としてそれぞれにおいて実現可能な目標の設定、実施が望まれる。 またこの研究課題は世界の多くの機関でも取り上げられており、国際協力も一層進める必要がある。
4.成果公表状況 国内外での成果公表がなされている(論文2篇、報告書3篇、口頭発表3篇)。また、発明・意匠の特許を出願していることも評価できる。
5.成果活用の見込み 本研究が完了すれば、世界の各局がこれらの手法を採用することになろう。グローバルな基準座標系の高精度化に向けて、その成果は極めて大きいと考えられる。
6.残された課題と新たな研究開発の方向 1 で述べた(3)、(4)の項目が残されているだけでなく、(2)についても今検討すべき多くの点がある。レベルの高い目標とそこに到達するまでの段階的な研究課題の設定が必要である。
7.その他、課題内容に応じ必要な事項 特になし。
総合評価  1.十分な成果  〇2.一部不満足  3.部分的成果  4.失敗

VLBIアンテナ中心とGPSアンテナ位相中心の相対位置の測定については、ほぼ確立できたが、VLBIアンテナの変形、アンテナ中心の移動、光路長の変化等1-2mm精度のコロケーション には多くの課題が残されている。今後、更に座標系の違いや解析ソフトの違い等の検討も必要である。しかし、2年という短期間での成果としては一部不満足であるが、このような重要な研究課題に着手直後の成果としては多くの成果が得られている。