第29回全国児童生徒地図優秀作品展 受賞作品
第29回全国児童生徒地図優秀作品展 受賞作品
受賞作品
国土交通大臣賞
作品名:「点字ブロックから考える私の街の住みやすさ」
受賞者:北海道札幌市立幌東中学校 2年 渡辺 ちとせ
作品主旨:登下校中に何気なく目にしていた「点字ブロック」。ですが注意深く見てみると様々な材料や形状があることに気が付きました。そこで実際に自分の街をくまなく歩き、点字ブロックの状態や種類について調査しました。さらに点字ブロックの観点から、自分の街が住みやすいかどうか考察しました。点字ブロックを使用しない人が使用する人に何ができるかを常に考え、他人事だと思わず行動することが一番重要だということを伝えたいです。

【選考委員会の講評】
普段さりげなく眺めている点字ブロックの実態を現地に行って調べた上で、視覚障がい者の視点に立って点検した、着眼点の素晴らしい作品です。点字ブロックの状況をわかりやすく地図化することによって、障がい者が生活の中で直面する街中のバリアを作者自身が発見し、その原因や改善すべき点も考察を加えており実用性のある作品だといえます。地図には多くの情報がわかりやすく整理されており、メリハリのある表現になっている点で、伝える工夫もなされています。
文部科学大臣賞
作品名:「私の町・美保地区のちがいを探れ!~地図から見える3つの時代~」
受賞者:鳥取県鳥取市立美保小学校 6年 長谷 咲凜
作品主旨:私の住む美保地区は暮らしやすく便利な町です。ある日、お母さんが交差点の横をさして、「このあたりに昔スーパーがあったんだよ。」と言っていたので、びっくりしました。今と昔では、町の様子がずいぶん変わっているかもしれないと思い、公民館で明治・昭和などの地図を見せていただきました。田んぼや家などを色分けして見やすくなるよう工夫しました。美保地区を通る国道53号線は、江戸時代にお殿さまが通った街道だったことも分かり、町の歴史を学ぶことができました。これからも町の歴史を大切にし、伝えていきたいです。

【選考委員会の講評】
明治・昭和・現代の地図を比較し、そこから何を読み取ったのかを自分で再構成して独自の地図に表現し直している点で、地図学習の優れた実践例といえます。そのために祖父母をはじめ色々な人に話を聞き、図書館などで郷土史にあたるなどして、昔の地域の状況が詳しく調べられています。地図は色使いもよく、地図記号をうまく利用するなど、効果的に伝える工夫もこらされています。作品全体に占める地図と文字のバランスも秀逸で、作品から地図の楽しさが伝わってきます。
審査員特別賞
作品名:「安芸高田市向原の泣き別れ分水界と分水嶺」
受賞者:広島県広島大学附属中学校 1年 中田 慧
作品主旨:太田川はどこから流れてくるのか、上流の分水嶺を目指して自転車で向かった。向原にあった泣き別れ分水界は珍しい平地の分水嶺だった。立体地図を作ると三條川の河川争奪によって風隙ができ、平地の分水界になったことがよくわかった。工夫した点は河川争奪の様子がわかるよう昔と現在の川の流れを透明なフィルムで表現しています。実際に現地で分水標より北は江の川、南は太田川が流れる様子を想像するととても不思議な感じがした。

【選考委員会の講評】
河川争奪は現地に行ってもわかりにくい地形ですが、立体地図としてコンパクトに表現することで、その特徴を一目で理解できるようにうまく表現しています。また、地図をレイヤー化して情報を整理したり、実際に現地まで行って確かめたことなども評価できます。言葉による説明はシンプルですが、その代わりに地図そのものに語らせるという、地図の原点に立ち返った作品といえます。

