第14回全国児童生徒地図優秀作品展ごあいさつ(連絡協議会会長)

第14回全国児童生徒地図優秀作品展ごあいさつ(連絡協議会会長)

社会科教育に活かそう地図づくりを(全国児童生徒地図作品展連絡協議会長)

最近5年間の児童生徒優秀作品展作品集に掲載された応募作品を概観すると、温暖化・ゴミ・地域生物の実態・池や川の水質などの環境問題、洪水や地震に備えた防災、鉄道廃線に伴う地域の変化、農業・漁業・商業などの経済活動、寺社・街道・城下町などの歴史的景観、過疎化や高齢化などの社会問題、土地利用や地図模型など、そのテーマは多種多様です。

 

作品のほとんどは、父兄や先生によるアドバイスや指導があったとはいえ、テレビや新聞報道、旅行での体験や学校での社会科授業から児童生徒自身が興味を抱いた事象をテーマとしたものです。作品の多くは、児童生徒が自分の手と足で収集した資料や現地調査から得られたデータを地図化やグラフ化という手法を用いて、見る人の心を惹きつけるように表現しています。

 

こうした地図づくりは、まさに平成20年度の小学校社会科の新しい学習指導要領にうたわれた観察、資料活用の技能、社会的な思考・判断能力、表現力などを育成するという社会科授業の目標や地図・統計・資料集・新聞などの諸資料の解釈と考察を目指す中学校社会科の新学習指導要領に提示された「社会科における読解型学力の育成」にも合致する有益な学習であると言えます。

 

このように、地図作りは、小学校や中学校の社会科教育にとって大きな役割を果たす学習活動なのです。

地図を作る上で重要な事柄は、収集した資料を基に正確な地図を作ることは言うまでもありませんが、着眼点・独創性や表現・工夫なのです。小・中学校の先生方や父兄の皆様、これからも児童生徒に独創性に富み、工夫をこらした魅力のある地図づくりを御指導願えればと思っております。

平成23年2月

全国児童生徒地図作品展連絡協議会

 会長  木原克司