情報ハイウェイ時代にふさわしい社会をめざして

GIS研究会第二次報告 概要版

内容

目次

第1章 GIS導入の必要性

第2章 我が国におけるGIS整備の現状と課題
1.現状
2.GIS導入促進に向けた課題

第3章 今後取り組むべき施策
1.情報インフラとしての空間デ-タ基盤の整備
2.空間デ-タ基盤のメンテナンス
3.標準化の推進
4.空間デ-タの公開
5.空間デ-タの利用のためのネットワ-クの整備(クリアリングハウスの整備)
6.行政における空間デ-タおよびGIS利用の促進
7.高速情報通信網の整備
8.制度面からの検討
9.スケジュ-ル

第4章 施策の当面の推進方策

GIS研究会(会長:伊理 正夫 中央大学教授)第二次報告が、5月31日とりまとめられ公表された。

 地理情報システム(GIS)は、地図デ-タを電子情報化することにより、様々な統計デ-タ等と地図とを容易に対照することができるようにするものであり、空間的な検索、解析、表示などの機能を有するものである。GISにより、行政面では施設管理、計画策定支援、防災、環境影響評価、福祉等、また、民間ではマ-ケティング、顧客管理等、幅広い分野で業務の効率化、高度化を実現することができる。米国では、GISに必要なデ-タ整備に向けて、連邦政府が毎年約 4,000億円の予算を確保している。また、英国でも、施設管理等の必要性から、予定を大幅に早め、1/1,250~10,000レベルの電子地図デ-タの整備を平成7年に完了した。

 建設省では、空間デ-タ基盤の効率的な整備を推進し、GISの幅広い利用に資するため、学識経験者からなるGIS研究会を設置(平成7年8月8日)し、今後取り組むべき施策等について検討を進めてきた(計7回開催)。

 GIS研究会では、GISに不可欠な空間デ-タ基盤が満たすべき要件、GISの標準化等について、主に技術的観点からの検討を行い、平成8年2月に第一次報告をとりまとめたが、その後、情報インフラとしてみた場合の空間デ-タ基盤の整備方策、行政がGISを利用する必要性と課題、モデル事業の推進の必要性などについて検討し、具体的な施策の提言が、第二次報告としてとりまとめられたものである。その骨子は以下の通りである。

第1章 GIS導入の必要性 -情報ハイウエイ時代にふさわしい社会を目指して-

空間デ-タ基盤整備、GIS技術の導入は、新世紀に向けて、社会生活の快適さ、便利さ、安全性等を確保する上で重要。

第2章 我が国におけるGIS整備の現状と課題

1.現状

  • 行政の効率化、迅速化等の観点から、地方公共団体を中心に、上下水道等の施設管理等に利用され始めた。
  • ユ-ザ毎にGIS整備がなされているため、互換性がないこと、高い整備コスト負担の問題がある。

2.GIS導入促進に向けた課題

  • GISのために必要な地図デ-タおよび空間デ-タを整備すること。
  • デ-タが容易に利用可能となる仕組みを作ること。
  • デ-タの相互利用のための環境づくり。

第3章 今後取り組むべき施策

1.情報インフラとしての空間デ-タ基盤の整備

  • 国土地理院が、全国を網羅する 1/2,500 レベルの空間デ-タ基盤を整備すること。
  • 国や地方公共団体は、施設管理者として自らが管理する施設の台帳図をデジタル化し、施設管理へのGISの導入を図ること。

2.空間デ-タ基盤のメンテナンス

  • 整備された空間デ-タ基盤の効率的な更新を行うための枠組みを検討すること。

3.標準化の推進

  • デ-タ交換を容易にするため、デ-タの特徴を記述したメタデ-タの標準化。
  • 位置参照(住居表示と位置座標(東経○度、北緯△度)の置き換え等)の標準化。
  • ユ-ザインタ-フェ-スの標準化。ISOにおける国際標準化活動との連携。

4.空間デ-タの公開

  • デ-タの公開はGISの利用を促進するが、セキュリティ-、プライバシ-保護等について検討が必要。

5.空間デ-タの利用のためのネットワ-クの整備(クリアリングハウスの整備)

  • デ-タの相互利用のためには、デ-タの所在、内容、アクセス方法等が明示されていることが必要であり、ネットワ-クの整備が必要。

6.行政における空間デ-タおよびGIS利用の促進

  • 行政自らが、空間デ-タ及びGISの利用、導入、環境づくりを積極的に行うことが重要。

7.高速情報通信網の整備

  • 高速情報通信網の整備は、リアルタイムの情報入手、共有デ-タへのアクセス、更新デ-タの入手及び双方向性等の点でGIS利用のためにも必要。

8.制度面からの検討

  • 情報提供に伴う料金授受、情報の知的所有権等の扱い、プライバシ-保護、セキュリティ確保と情報公開の整合等について、制度面からの検討が必要となる場合がある。

9.スケジュ-ル

  • 空間デ-タ基盤は、21世紀当初までに一通りの整備完了を目指す。

第4章 施策の当面の推進方策 -モデル事業の実施を通して-

1.GISや空間デ-タ基盤は、モデル事業を通じて理解・普及を進めることが必要。

2.モデル事業は、施設管理業務、防災、窓口業務、固定資産現況把握業務、都市計画業務、福祉サ-ビス業務等を相互に、連動させたものとすることが必要。

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