土地条件図についての説明(三宅島形成史、地形解説等)

火山土地条件図の表紙画像

火山土地条件図「三宅島」について

 我が国は、世界でも有数の火山国で、有史以来多くの火山災害が記録されています。このような災害の全てを防止することはきわめて困難ですが、被害を最小限に抑制するための対策が大きな課題となっています。

 国土地理院では、このような課題に応えさらに各種の地域計画のために基礎的情報を提供することを主な目的に、1988年度から活動的な火山とその周辺地域を対象に火山土地条件調査を行い、その地域の火山災害に関する地理的諸条件を明らかにしています。

 この調査は、主として地形分類調査(土地を表面形態・表層地質・形成年代・成因などの別により分類する作業)と各種機関・施設の配置状況調査(行政・防災担当機関、救護・保安施設、土木工作物、観光施設など)から成り立っています。火山土地条件図は、その調査結果を多色刷りの地図にまとめたものです。

 本図の表面は、三宅島の全域を対象とし10色刷りで見やすく表示しています。この図では、過去の火山活動によって形成された地形、特に有史時代に起こった14回の噴火による噴出物の分布(溶岩流・スコリア丘など)を詳しく図示し、過去の噴火の影響範囲を明らかにしました。裏面は、4色刷りで、「地形概念図」.「三宅島の噴火史」.「三宅島1983年噴火の経過」.「傾斜分級図」などの図表を配置し、「地形解説」と読み含わせることによって三宅島の生い立ちと地形をよく知ることができます。さらに、三宅村が平成6年に発行した「三宅島火山防災マップ」の概略図と三宅島を含む伊豆諸島で過去に起こった地震・津波災害の概要を紹介することにより、噴火や地震の際に注意する点をまとめてあります。

 以上のとおり、本図は三宅島の火山活動を中心とする総含的な防災計画の基礎資料として活用されるとともに、一般の方々にも、火山地域の自然特性を理解しさらにフィールドガイドとしても利用できるものと考えています。

下記をクリックすると関連ページへ移動します。
  1. 三宅島の形成史
  2. 三宅島の噴火史
  3. 地形解説
  4. 傾斜分級図について
  5. 用語の説明・文献