豊後水道周辺でプレート間のゆっくり滑り(スロースリップ)現象を検出

発表日時:2010年3月5日(金)14時00分

豊後水道周辺でのスロースリップは約6年ぶり

概要

 豊後水道周辺の電子基準点観測データに、平成21年後半以降、通常とは異なる地殻変動(非定常地殻変動)があることが検出されました。この変動の原因となっているのは、豊後水道から足摺岬にかけてのプレート境界で発生している「ゆっくり滑り(スロースリップ)現象」であることが推定されます。豊後水道周辺では、平成9年(1997年)から平成10年にかけてと、平成15年(2003年)から平成16年にかけて、同じような場所でゆっくり滑り現象が発生しており、今回は約6年ぶりとなります。
 検出された非定常地殻変動はまだ小さく、大きいところでも約1cm程度です。この非定常地殻変動からプレート間滑りの大きさを計算したところ、足摺岬から豊後水道周辺にかけて最大約4cmの滑りが推定されました。
 過去2回のゆっくり滑りでは、豊後水道を中心とした領域で非定常地殻変動が数ヶ月にわたって観測され、推定された滑り量は最終的に20cm程度、解放されたエネルギーもマグニチュード(Mw)7.0相当まで達しました。今回のゆっくり滑りは継続中と見られますが、現時点では滑りの量がまだ小さく、マグニチュード(Mw)も6.3程度です。また推定されたプレート間滑りの大きい領域が、過去の例と比較してやや東側に寄っていることも特徴です。

添付資料

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