湖沼図「中海」を更新

最新の測量機器を用いて湖底の地形を把握

発表日時:2024年01月31日14時

鳥取県と島根県にまたがる中海の湖沼図を更新し、令和6年2月1日から提供を開始します。

 国土地理院では、国土の状況を表し適切な国土管理を行う取組の一つとして、環境保全上重要かつ貴重な湖沼を対象に、湖底地形等を明らかにする湖沼調査を実施しています。その結果は湖底の地形を50cm~1m間隔の等深線で詳細に表す湖沼図や湖沼データとしてとりまとめ、基本的な地理空間情報として提供しています。
 湖沼調査は、昭和30年(1955年)の琵琶湖(滋賀県)の調査をかわきりに、これまで継続的に調査を実施し、全国の80湖沼を調査しています。平成24年度からは、水面下を高精度かつ高密度にデータ取得が可能な測量機器であるマルチビーム音響測深機※1を導入し、湖沼図の更新を進めています。
 令和2年度から3か年で、「中海」(鳥取県、島根県)について、昭和37年(1962年)以来となる湖沼調査を関係機関から協力をいただきながら実施しました。中海の調査からは最新の測量機器である、自律航行無人ボート(USV: Unmanned Surface Vehicle)を導入し、浅瀬の調査を効率的に進めました。このたびの調査の結果、中海の最大深はこれまでの17.1mから更新され18.4mになります。
 湖沼調査の成果は、湖沼周辺の環境保全や漁業などの各種計画へ活用されるほか、電子国土基本図の等深線に反映されます。また、湖沼データと近年整備の進む陸域の高精度な標高データ(3次元点群データ)を組み合わせることで、陸域と水域が一体となったデジタルツインの実現にも貢献します。
 湖沼データは、国土地理院のウェブ地図「地理院地図」で閲覧できるほか、ホームページからGISデータなどでダウンロードできます。また、インクジェット紙出力による刊行図は日本地図センターから入手できます。
※1 船に設置した測深機から湖底に向けて音波を扇状に発射し、反射した音波を捉えることで、広範囲の湖底地形を効率的に把握する装置。

資料

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番                                                                   
国土交通省 国土地理院 応用地理部
地理調査課長 山田 美隆 TEL:029-864-5934(直通)
課長補佐 渡邉 哲也 TEL:029-864-5935(直通)

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