平成21年12月の地殻変動について

発表日時:平成22年1月8日(金)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGPS連続観測網の観測結果から求めた平成21年11月下旬から12月下旬の1ヶ月間の地殻変動を表したものです。伊豆半島東部では、12月17日から始まった地震活動に伴い、小室山で南南西方向に約4cmの水平変動が観測されるなどの地殻変動が観測されました。それ以外は特に目立った変動は見られません。

トピックス

  • 伊豆半島東部では、12月17日から始まった地震活動に伴い、小室山で南南西方向に約4cmの水平変動が観測されるなどの地殻変動が観測されました。地殻変動は12月21日以降ほぼ停滞しているように見えます。
  • 別紙8[PDF形式:172KB]
    この地殻変動から変動源のモデルを推定したところ、北西-南東方向の長さ約1km、幅約7kmのほぼ垂直の長方形の割れ目(ダイク)が、約0.6m広がったのが主な変動源であると推定されました。
    別紙9[PDF形式: 71KB], 別紙10[PDF形式: 86KB]
    この変動源の位置は、今回の地震が発生している活動域と概ね一致しています。
  • 硫黄島内の電子基準点「硫黄島1」、GPS機動連続観測点「M硫黄島」では、隆起の傾向が続いていましたが、現在は停滞しています。また、「M硫黄島」で平成21年9月末頃から見られた北東向きの地殻変動は、現在は鈍化しています。電子基準点「硫黄島2」では、南向きの地殻変動が継続しています。
  • 別紙11[PDF形式: 73KB], 別紙12[PDF形式:421KB]
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で、長期的な伸びの傾向が見られます。なお、昭和火口で繰り返し発生している爆発的噴火に関連すると思われる地殻変動は観測されていません。
  • 別紙13[PDF形式:741KB]

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
測地観測センター      地震調査官     矢来 博司 (029-864-4825)
測地観測センター      地殻監視課長    新田 浩  (029-864-5971)
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  飛田 幹男 (029-864-6925)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(平成20年12月下旬から平成21年12月下旬まで、別紙14)[PDF形式:279KB]
    • 北海道地方では、平成15年(2003年)十勝沖地震の余効変動、平成21年6月の十勝沖の地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 東北地方では、平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震の余効変動が見られます。
    • 伊豆半島東部では、12月17日から始まった地震活動に伴う地殻変動が見られます。
    • 硫黄島の変動ベクトルは、島内の地殻変動を表しています。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

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