最終更新日:2024年3月11日

「地理院地図Vector(仮称)」の試験公開

The Experimental Release of "GSI Maps Vector"

著者

地理空間情報部  渡辺亮佑・本嶋裕介・茂木宏仁・佐藤壮紀

要旨及び本文

国土地理院では,ウェブや携帯端末用のアプリケーション等での利用に適した地図データである「地理院タイル」を提供するとともに,その内容を閲覧できるウェブ地図「地理院地図」を公開している.しかし,これまでの地理院タイルは画像データが主であり,コンピュータで地図の内容(地物の種類や属性情報等)を読み取ったり地図のデザインを変更したりすることはできなかった.
 そこで,2014 年度から行っている「国土地理院ベクトルタイル提供実験」の一環として,2019 年 7 月29 日に,ベクトルタイルを用いて新たに自分で地図をデザインできるウェブ地図「地理院地図 Vector(仮称)」を試験的に公開した.
 ベクトルタイルは地図内容の機械判読が可能であり,属性値によって色や太さ等スタイルの変更が可能なことから,利用目的に応じて地図のデザインを変更することが可能になるなど,地理空間情報の活用の幅が広がることが期待される.地理院地図Vector(仮称)は,ファイルサイズが小さく,ウェブやスマホアプリでの利用により適したバイナリ形式のベクトルタイルを表示するサイトであり,「空中写真に地名等のみを重ねた地図」,「白地図」などを容易に作成することができることから,特に防災分野や教育分野での活用を想定している.
 また,地理院地図 Vector(仮称)の公開と同時に,サイトを構成するソースコードを技術者向けの SNSである「GitHub」に公開し,技術的に知見のある利用者から指摘や意見・要望等を頂いた.
 今後は,残存する課題の解決方法を検討し,2019年度中の全国のベクトルタイル提供に向けて,ベクトルタイルのデータ及びサイトの改良を行っていく予定である.

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、以下のページからダウンロードしてください。