最終更新日:2024年3月11日

国連ベクトルタイルツールキットの活用推進

Promotion of the United Nations Vector Tile Toolkit

著者

企画部  藤村英範

要旨及び本文

国土地理院では,2010年代に本格的に実用化されたウェブ地図の新技術であるベクトルタイル技術を,様々な機関で活用できるようにオープンソース方式で広く共用していく施策を2014年から実施してきた.この施策の国連での活用可能性を認め,2017年に国連事務局フィールド支援局情報通信技術部(当時)は日本政府との覚書を締結し,上級地理空間専門官を国連地理空間情報課に受け入れた.国連ベクトルタイルツールキットは,公的機関をはじめとする地図提供組織が最新のウェブ地図技術を共用することで,多様な主体による多様な地図が取り残されることなくウェブに供給されるようにすることを目的として,この国連上級地理空間専門官が創設したプロジェクトである.
 ベクトル形式による地球規模の地理空間情報を80時間以内にベクトルタイルに変換できる性能を持つ国連ベクトルタイルツールキットの方法論を,国連事務局や,国土地理院をはじめとする世界の地理空間情報当局,さらにはその他の公的機関やあらゆる組織で活用できるようにし,そのことによって国連ベクトルタイルツールキットのプロジェクト自体を持続可能なものにしていくことがソフトウェア開発リソースの制約上必要となっている.そこで,国連ベクトルタイルツールキットのデモ及び技術移転を容易にするために,国連ベクトルタイルツールキットのソフトウェア及び題材となるデータをインターネット接続なしで活用できるように超小型PCを用いたパッケージングを行った.また,地球規模課題,特に国土地理院が関与する国連専門家委員会の議事における国連ベクトルタイルツールキットの意義を整理した.

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