最終更新日:2024年1月23日

ビッグデータを活用した登山道の修正の取組

Updating of Mountain Trails on the “Digital Japan Basic Map” Using Big Data of Walking Paths

著者

基本図情報部  中南清晃・大塚孝治・本田義和

要旨及び本文

国土地理院では,電子国土基本図の整備を行っているが,その一部として登山道情報を更新している.空中写真に写らないような登山道は現地調査を必要とするため,迅速に更新することが難しかった.他方,登山者の遭難の主因は道迷いであり,登山者の安全のために正確な登山道情報を提供することが求められている.
 国土地理院は登山道情報を迅速に修正するため,登山者によってスマートフォンなどで取得された移動経路情報が,ビッグデータとして蓄積されていることに着目した.2017年12月に登山コミュニティサイトを運営する民間企業2社と協力協定を締結し,2社から提供を受けた移動経路情報のビッグデータを活用して登山道情報の修正を開始した.2018年3月には,移動経路情報のビッグデータを活用して修正した登山道情報を地理院地図で公開した.その後,日本全国の主要な山域を中心に修正を行ってきたが,登山道と山小屋等の他の地物との位置関係など,移動経路情報だけでは判断が難しいことがわかり,公益社団法人日本山岳会からも情報提供を受けながら修正を進めている.
 引き続き移動経路情報のビッグデータを活用して正確な登山道情報を迅速に提供することで,登山者の安全と利便性向上に貢献していく.

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