航空機搭載型合成開口レーダ(航空機SAR)による浅間山火口内の観測(要旨)
Observation of Summit Crater of Asama Volcano by the Airborne Synthetic Aperture Rader
測図部 浦部ぼくろう・渡辺信之
Topographic Department Bokuro URABE and Nobuyuki WATANABE
地理地殻活動研究センター 村上 亮
Geography and Crustal Dynamics Research Center Makoto MURAKAMI
要 旨
浅間山火山では,2004年9月1日以降噴火が続いている.噴火により発生する災害を予測するためには,火口周辺の状況を観察することが重要であるが,噴火開始以来,浅間山の火口クレーター内は常時噴煙に覆われており,火口内の状況を目視や通常の光学機器によって観測することが困難な状態が続いている.
合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar: SAR)は,マイクロ波を能動的に照射して対象物の形状などを面的に計測するリモートセンシング技術である.マイクロ波の特性を利用することで夜間や雲・噴煙下でも地表の状況を把握することができるほか,航空機に搭載することにより多方向・多高度の映像が得られることから,航空機SARは火山観測に特に有効な技術である. 測図部では,火山活動が続いている浅間山の火口付近において航空機SARを用いて繰り返し観測を行った.それにより明らかになった火口内部の地形変化について報告する.