第26回全国児童生徒地図優秀作品展 受賞作品

第26回全国児童生徒地図優秀作品展 受賞作品

受賞作品

国土交通大臣賞

作品名:「一目でわかる!立体色付き防災マップ ~学校や緊急避難場所は本当に安全か?~」
受賞者:兵庫県神戸市須磨浦小学校 5年 前野 晃汰
作品主旨:僕の小学校は南海トラフ巨大地震で被害が出る可能性のある神戸市須磨区の海岸近くにあります。東日本大震災では学校から避難が遅れた多くの小学生が亡くなっています。そこで想定外の地震と津波が発生した時の学校からの避難経路を考えるため、標高別に色分けした立体地図を作成しました。すると、神戸市が指定している避難場所でも危険と思う場所があり驚きました。自分自身で災害対策を考えておくことが大事だと思いました。

第26回作品展 国土交通大臣賞受賞作品

【選考委員会の講評】
防災にかかるテーマでデザイン的に優れており、色使いにこれまでにない工夫が見られる。立体地図は定番の作品であるが、そこに非常に鮮やかな色を使い何を伝えたいかが明確であった。地図表現がきちんとできているところを評価した。

文部科学大臣賞

作品名:「渋野町鳥獣被害マップ」
受賞者:徳島県徳島市立渋野小学校 6年 米田 知永
作品主旨:うちのポチには、猟犬の友達がいます。飼い主のおじさんは猟師として渋野町の害獣を駆除しています。父はブロッコリー農家で、渡り鳥の食害にあったり、猪に畑を踏み荒らされています。
 渋野町は農業の町です。町の人に聞いていくと様々な動物による被害にあっていることがわかりました。農作物の地図と合わせることで被害の実態を見やすくしました。対策に役立ててもらいたいと思います。

第26回作品展 文部科学大臣賞受賞作品

【選考委員会の講評】
 地図は害獣、動物の駆除という視点になっているが、環境の変化などの大きなテーマを投げかけていると感じた。身近なところでのフィールドワークや現地取材の結果を見栄え良くきれいにまとめられている。
 地図としての出来栄えという観点からも大変よくできており、非常に優れた作品である。

審査員特別賞(2作品)

作品名:土地利用図「前橋」
受賞者:宮城県仙台市立第二中学校 3年 相原 桃子
作品主旨:う前橋の地図をもとにすると、利根川の周辺に住宅地が多いことが分かった。また、宅地を囲むようにして畑が広がっていることも読み取れ、全体的に住宅に対して田畑の占める割合が高いことが分かった。この前橋地域は、南北に伸びるように広がる桑畑が特徴的である。北部にある森林の中にも桑畑が点在しており、地域に占める桑畑の割合が高いことから、養蚕業が盛んに行われていることが分かった。

第26回作品展 審査員特別賞受賞作品

【選考委員会の講評】
 従来からある土地利用図の作成という形式のなかで、地形図に着彩するというコンセプトで、見事に鮮やかな作品を作り上げた優れた作品である。
 地域の特産品である生糸は蚕の繭から作られるが、蚕の餌となる桑の分布を強調しており、一目で把握できる。また、農業用地と川沿いに発達した都市部のコントラストも明瞭で優れた色設計となっている。



作品名:「高津川源流域における河川争奪地形」
受賞者:広島県広島市ノートルダム清心高等学校 1年 土岐 文子
作品主旨:島根県の高津川源流域における「河川争奪地形」の立体模型を作製した。
 工夫した点は、争奪前の川の流れを水色画用紙で表し、争奪後の現在の地形に重ねられるようにした点と、現地調査の写真撮影箇所と模型上での位置がわかるよう矢印シールを貼った点である。水源地と河川争奪箇所には、待ち針を刺して示している。
 立体模型によって、土地の高低差や源流域全体を俯瞰することが可能となり、河川争奪地形を理解することができた。

第26回作品展 審査員特別賞受賞作品

【選考委員会の講評】
 一方の河川の侵食が進み、分水界が次第にもう一方の河川の側に移動して、その河川に達し、水流を奪って河川の流れが変わる現象を河川争奪という。高津川はその源流域で錦川の支流である宇田川や深谷川に争奪されたことで知られる。
 河川争奪をテーマに取り上げた高校生として地域を見る目が素晴らしい。高さを誇張するなど、誰が見てもわかる表現を探求してもらいたい。