第26回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(国土地理院長)

第26回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(国土地理院長)

ごあいさつ

 児童生徒の地図に関する作品展は、小・中・高等学校等の社会科教育の一環として、全国各地で開催されています。これらの作品展は、児童生徒の自主的な研究活動を通して、地図についての正しい理解や地理的思考力を高めるとともに、社会的なものの見方を育てるために、全国児童生徒地図作品展連絡協議会を構成する団体が開催しています。今年度は、各地の作品展へ計747校から計3,961点の応募がありました。

 国土地理院は、連絡協議会と連携し、加盟団体から推薦された作品を一堂に集め、「全国児童生徒地図優秀作品展」を開催しています。第26回となる今回の全国展には、加盟14団体及び連絡協議会が認める特別参加の1団体から計91点の優秀賞を受賞した作品が出展され、国土地理院「地図と測量の科学館」、国土交通本省、科学技術館及びNHK大阪放送会館の4会場に展示しました。

 また、全国展に参加した団体から14の作品が国土交通大臣賞・文部科学大臣賞候補として推薦され、有識者による選考会において、厳正な審査が行われました。その結果、神戸市須磨浦小学校5年生 前野晃汰さんの作品「一目でわかる!立体色付き防災マップ ~学校や緊急避難場所は本当に安全か?~」が「国土交通大臣賞」に、徳島市立渋野小学校6年生 米田知永さんの作品「渋野町鳥獣被害マップ」が「文部科学大臣賞」に、それぞれ決定しました。両大臣賞の表彰式は、1月12日(木)に国土交通本省において執り行われ、斉藤国土交通大臣から各受賞者に表彰状と記念品が授与されました。また、審査員の評価が高かった2作品には「審査員特別賞」を、そのほかの10作品には「奨励賞」をお贈りしました。

 インターネットやスマートホンが普及し、あらゆる情報が容易に手に入る時代となりました。現代の子供たちには、あふれる情報から正しい情報を選び、咀嚼し、理解する能力が求められるようになったとも言えます。防災・地理に関する情報についても同様で、例えば、頻発する自然災害から自らの生命・財産を守る上でハザードマップは有効な情報源なのですが、それを読み解く力無しでは十分に活かすことはできないのです。

 このため国土地理院では、防災・地理教育を支援する取組として、地理空間情報のコンテンツやツールを紹介するウェブページ「地理教育の道具箱」の提供や出前講座等を実施しており、全国展の開催もその取組の一つです。今後とも、教育関係者の方々とのネットワークづくりを進め、様々な取組を通じて、防災・地理教育の充実に寄与してまいります。

 最後に、今回の全国展の開催にあたり、ご協力を賜りました関係機関、関係団体の皆様に厚く御礼申し上げます。

 令和5年3月
  国土交通省国土地理院
    院長 高村 裕平