令和5年度 地理空間情報の活用等に関する関東地域連携協議会を開催

関東地域において産学官が地理空間情報に係る課題の認識と情報の共有を図り、地理空間情報の効果的な整備・更新・活用を推進することを目的に、平成26年度から開催している「地理空間情報の活用等に関する関東地域連携協議会」を開催しました。

開催概要

日時:令和6年2月8日(木)13時30分~16時00分
会場:国土地理院関東地方測量部 8F地震予知連絡会大会議室(オンライン併用)
出席者:協議会構成員(23機関及び学識経験者4名)※

講演

  • 「3D都市モデルとの連携 ~災害前後におけるGIS の活用~」
    岡谷市における3D都市モデル・GISの活用について、令和3年8月の大雨災害を例に、避難情報の発令から発災後の対応、3D防災マップ、3Dデータ活用を紹介
    (講師 岡谷市産業振興部農林水産課主任 小口直伸)

  • 「市町村災害対応統合システム(IDR4M)の開発」
    内閣府の施策である戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期の課題の1つである「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」の中で研究開発された「市町村災害対応統合システム(IDR4M)」(研究責任者 九州大学塚原教授、社会実装責任者 九州大学三谷教授)について、モデル自治体の活用事例も絡めて紹介
    (講師 九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター教授 三谷泰浩)

  • 「令和6 年能登半島地震における国土地理院の取組」
    令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」における国土地理院の取組を紹介
    (講師 国土地理院関東地方測量部長 坂部真一)

意見交換

意見交換では、5名の官構成員(国、地方公共団体)から日頃の業務及び防災分野での地理空間情報活用に関する下記の取組事例をご紹介いただき、講演内容に対する質疑応答とともに意見が交わされました。
  • さいたま市
    「さいたま市版PLATEAU VIEW を活用した行政情報の可視化」
  • 相模原市
    「3次元点群データ・3D 都市モデルの更新・整備と活用状況」
  • 群馬県
    「河川防災情報サイト「かわみるぐんま」の構築」
  • 山梨県
    「Web GIS を活用した山梨県土砂災害警戒情報システム」
  • 関東地方整備局
    「河川管理DXの取り組み~全国初の河川系DX 出張所~」
    「道路情報収集による維持管理の効率化・高度化の取組み」
    「3次元データ等を活用した被災状況把握の高度化」

総括

  • 普段から様々な情報を管理しデータを蓄積できるシステムの構築が重要であり、更に様々な人と共有できる仕組みや法制度を整えていくことも必要。
  • 成功事例の取組みの裏に様々な課題があったはずなので、課題部分も含めて共有することが、具体的にどう進めるべきという点で有益な情報になる。
  • 3次元点群データ、City GMLなど、そうしたツールをどのように使用していくかが今後の課題。

事務局より

参加された皆様からは多くの意見をいただき、地理空間情報の活用に対する意識の高さがうかがえ、現状に対する課題や問題意識が共有されました。今後も、このような課題等について協議する場として、来年度以降も継続して実施する予定です。
※関東地域連携協議会の構成員は以下のとおりです。
(産)埼玉県GIS普及推進研究会、NPO法人全国G空間情報技術研究会関東中部G空間情報技術研究会、(一社)全国測量設計業協会連合会関東地区協議会、(一社)全国測量設計業協会連合会東京地区協議会、(一社)
(学)後藤真太郎教授(立正大学)、瀬戸寿一准教授(駒澤大学)、稲垣景子准教授(横浜国立大学)、三谷泰浩教授(九州大学 臨時)
(官)総務省関東総合通信局、農林水産省関東農政局、国土交通省関東地方整備局、国土地理院関東地方測量部、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、静岡県(臨時)、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、岡谷市(臨時)
(事務局)国土地理院関東地方測量部