第27回全国児童生徒地図優秀作品展 受賞作品

第27回全国児童生徒地図優秀作品展 受賞作品

受賞作品

国土交通大臣賞

作品名:「成徳の防災」
受賞者:兵庫県神戸市立成徳小学校 6年 吉永 美穂
作品主旨:この夏休みこれまで経験したことのないような大雨がありました。また、過去には、都賀川で命が失われる水害がありました。神戸の災害は地震だけではないと思い、私たちの街である成徳とその周辺の防災について調べ、それを生活に生かしたいと思いました。地震や津波、水害、土砂災害など様々な自然災害に対する設備があったけれど、全ての設備に頼り切らずに自分事として考え見たり知ったりして備えることが大切だと思いました。

【選考委員会の講評】
 立体地図として神戸の地形がよくわかる作品です。特に流域を色分けして、わかりやすい地図になっています。また、ハザードマップから危険箇所を抽出したほか、多くの情報が簡潔にまとめられており、引き出しや糸を使うなど見せ方も工夫されています。防災という課題をどのように地図表現したらより多くの人に伝わるかを考えたものであり、見た人が防災について考えることに繋がる作品となっている点が評価できます。

文部科学大臣賞

作品名:「地図記号「 v 」の中には何がある?岐阜市畑マップ」
受賞者:岐阜県岐阜市立長良東小学校 3年 星野 友美
作品主旨:社会のじゅぎょうで、岐阜市ではえだまめを多くつくっていることを知りました。でも、近所の畑でえだまめを見ません。なのでどこの畑で何がつくられているか調べることにしました。畑でつくられているものや、畑の多い所、少ない所、畑仕事のたいへんさなどが分かりました。やる人のいない畑がふえていることや、この問題についてがんばる人がいることに気づきました。

【選考委員会の講評】
 畑という地図記号の中に様々な作物が含まれているというところに自ら疑問を持ち着眼した点がまず評価できます。作品を作成するにあたって、農家に対し作物の栽培状況や農家の現状、料理方法など様々な観点から聞き取り調査をしているところが評価できます。また、地図の色使いも丁寧に行われており、地図表現が煩雑にならないような工夫もされています。小学3年生の社会科では身の回りの地図を見て、地域を歩いて勉強しますが、そのお手本となるような作品です。

審査員特別賞(2作品)

作品名:「樹木の葉っぱでくらべる夏のかお冬のかお ~都立善福寺公園~」
受賞者:東京都武蔵野市成蹊小学校 5年 小林 凌大
作品主旨:公園の冬と夏の様子があまりにもちがっていて同じ場所とは思えなかったので、地図で表す方法はないかと考えた。冬になると樹木の葉っぱは落ちるものだと思っていたが、意外とそうでないことがわかった。


【選考委員会の講評】
環境について自分なりに調査したことをうまく地図に表現した作品です。作品からは空間的な広がりに加えて、夏と冬という季節の時間軸を感じられます。文字と地図の配置や、色使いからグラフィックデザインとして優れています。また、シンプルな凡例を示す工夫など伝えたいことがわかりやすくなっています。



作品名:「生まれた年と今で、少子化がどのように進んだか ~徳島県の中学校生徒数の比較から~」
受賞者:徳島県徳島市鳴門教育大学附属中学校 1年 大田 彩生
作品主旨:少子化が進んでいると言われますが、私自身日常で実感したことはありません。そこで、私が生まれてから現在まで、どのくらい子供が減っているのか、徳島県の中学校の生徒数をもとに調べました。
 その結果、この12年間で想像以上に生徒数が減少していましたが、中には増加している学校がある事に気づきました。そして各学校の増減率を色、大きさ、分布で地図上に表すと、著しく減少する周辺部と中心部の二極化が見えてきました。

【選考委員会の講評】
 学校の規模と生徒数の増減が一目でわかる地図であり、徳島県の状況が地域によってどのような傾向にあるかもわかりやすいです。また、一つの凡例で2つの事象を盛り込んでいる記号で表すなどの工夫がされています。地図表現としては山地や平地などの地勢がわかるような工夫をするとよいと思います。