第27回全国児童生徒地図優秀作品展 挨拶(国土地理院長)

第27回全国児童生徒地図優秀作品展 挨拶(国土地理院長)

あいさつ

 児童生徒の地図に関する作品展は、小・中・高等学校等の社会科教育の一環として、全国各地で開催されています。これらの作品展は、児童生徒の自主的な研究活動を通して、地図についての正しい理解や地理的思考力を高めるとともに、社会的なものの見方を育てるために、全国児童生徒地図作品展連絡協議会を構成する団体が開催しています。今年度は、各地の作品展へ計719校から計4,099点の応募がありました。

 国土地理院は、連絡協議会と連携し、加盟団体から推薦された作品を一堂に集め、「全国児童生徒地図優秀作品展」を開催しています。第27回となる今回の全国展には、加盟13団体及び連絡協議会が認める特別参加の1団体において優秀賞を受賞した計86点の作品が出展され、国土地理院「地図と測量の科学館」、国土交通本省、科学技術館及びNHK大阪放送会館の4会場に展示しました。

 また、全国展に参加した団体から14の作品が国土交通大臣賞・文部科学大臣賞候補として推薦され、有識者による選考会において、厳正な審査が行われました。その結果、神戸市立成徳小学校6年生 吉永美穂さんの作品「成徳の防災」が「国土交通大臣賞」に、岐阜市立長良東小学校3年生 星野友美さんの作品「地図記号「 v 」の中には何がある?岐阜市畑マップ」が「文部科学大臣賞」に、それぞれ決定しました。両大臣賞の表彰式は、1月15日(月)に国土交通本省において執り行われ、斉藤国土交通大臣から各受賞者に表彰状と記念品が授与されました。また、審査員の評価が高かった2作品には「審査員特別賞」を、そのほかの10作品には「奨励賞」が贈られました。

 地図作品の製作は、身の回りのことや社会のできごとから興味を持ったことや疑問に思ったことを見いだし、深く、幅広く調べることから始まります。本やインターネットで調べたり、現地を訪ねたりする調べ学習で素材を収集しますが、分厚いフィールドノートが添付されているものも少なくありません。中には、時間軸を持ち歴史を感じさせる素材もあります。そして、伝えたいことを明確にし、地図として表現して、見る人に伝えるという力が必要となります。色や形、記号、図法、時に立体造形も選択肢にしつつ、調査対象に関する理解力と表現力を駆使し、美しさや楽しさにあふれた作品が生みだされています。本作品展に参加した児童生徒のみなさんは、地図作りの経験を経て大きく成長したことでしょう。国土地理院は、今後とも教育関係者の方々と地理教育の充実に寄与してまいります。

 最後に、今回の全国展の開催にあたり、ご協力を賜りました関係機関、関係団体の皆様に厚く御礼申し上げます。

 令和6年3月
  国土交通省国土地理院
    院長 大木 章一