庄原地区における斜面崩壊・土石流と地形

気象(降雨量)と崩壊・土石流の発生状況

広島県庄原市では7月16日17時頃に1時間に64.0mmという観測開始以来の豪雨となり、庄原市北部の山地で多数の斜面崩壊と川北川や同市北東部の西城川支流で土石流が発生し、家屋の流出などの被害を出した。
災害発生区域は庄原市の北部に位置し、標高が500~600mの山地で、地質は主に中生代白亜紀流紋岩で構成される。これらの山地の稜線部には遷急線(傾斜変換線)が多数発達し、斜面を刻む谷は概して浅く丸みを帯びている場合が多い。

災害の特徴

今回の災害では、崩壊は西城川および川北川上流の重行-篠堂-先大戸-大戸地区の集落を結ぶ東西方向の谷を挟んだ北側斜面と南側斜面で多数発生した。また、これらの多数の崩壊地が合流して土石流となり、西部の重行地区や東部の先大戸地区から西城川の上川西地区で被害が発生した。

(1)斜面崩壊
  1. 崩壊地は重行地区東方から先大戸地区にかけての比高および斜面長の大きい区域で密集する傾向がみられた。
  2. 崩壊地は尾根直下や遷急線付近で多数発生していた。
  3. また、これらの崩壊のほとんどが谷型斜面で発生していた。

(2)土石流・土砂流出
  1. 西部の川北川の支流では、多数の斜面崩壊が合流して土石流や土砂流出となって谷底へ集中し、篠堂地区を経て重行地区に達した。
  2. 東部の先大戸地区では盆地状の地形に土砂流・土砂流出が広がった。
  3. 先大戸地区で発生した土石流・土砂流出は、川沿いに流下し、西城川に達して上川西地区を覆った。
庄原地区地形分類の画像

庄原地区地形分類


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