最終更新日:2018年1月29日

細島験潮場「登録有形文化財(建造物)」登録の答申について

細島験潮場「登録有形文化財(建造物)」登録に答申されました

概要

平成29年11月17日、国の文化審議会は、細島験潮場(宮崎県日向市)など188件の建造物を登録有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学大臣に答申しました。
今後、文化庁の官報告示を経て、正式に登録有形文化財となる予定です。

特徴等

継続的な潮位観測のため陸地測量部によって設置された験潮場の建屋。
内部は前室と観測室からなり、観測室に井戸が設けられている。我が国における潮位観測の歴史を今に伝える。

今回答申された全件の詳細は、文化庁のHPの一覧表でご確認いただけます。

細島港と細島験潮場の歴史

細島験潮場のある細島港は、江戸時代には延岡藩を除く南九州各藩が参勤交代に利用しており、湾口に津口番所、港の奥に西口番所という二つの番所がありました。津口番所は外国船の漂着を監視するとともに、毎日港を出入りする船の検閲や漁船の調査をおこなうところであり、高さ一丈二尺の石台の常夜灯台が設置されていました。この津口番所の跡に験潮場が設置されたため、験潮場は地元で「ご番所」と呼ばれることもあります。1)

細島験潮場の歴史
明治25年   細島験潮場開設(自画紙に潮位を記録する方式の潮位観測を開始)2)
明治26年   建物倒壊のため再設2)
平成  4年   開設100周年記念式典開催2)
平成15年   GNSS観測点の設置
平成23年   東北地方太平洋沖地震発生、津波観測
平成26年     「土木学会選奨土木遺産」に認定
写真:細島験潮場

登録有形文化財(建造物)とは

「登録有形文化財(建造物)」は、50年を経過した歴史的建造物のうち一定の評価を得たものを文化財として登録し、届出制という緩やかな保護措置により保存が図られるもので、既に11,000件を超える建造物が登録されています。この制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、まもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を、後世に幅広く継承していくために作られたものです。(詳しくは、文化庁のページをご覧ください。)


参考文献

1)桑野巧(1992),潮峠(うしおとうげ)
2)国土地理院(1994),験潮100年のあゆみ

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土交通省国土地理院
測地観測センター  地殻監視課長   丸山 一司 TEL 029-864-5971(直通)
          地殻監視課長補佐 菅原 準  TEL 029-864-1569(直通)
                         FAX 029-864-8381