人工衛星データを用いて岩手・宮城内陸地震に伴う面的な変動が明らかに(第1報)
発表日時:平成20年6月25日(水)11時00分
陸域観測技術衛星「だいち」が観測した合成開口レーダーデータの解析から、平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震によって、地殻変動の影響を受けている範囲が明らかになりました。国土地理院は、陸域観測技術衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構:JAXA)が観測した合成開口レーダー(PALSAR)データの干渉解析を行い、6月14日に発生した平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震に伴う地殻変動の及ぶ範囲を明らかにしました。
この地震に関する地殻変動については、電子基準点による変動量を6月14日(関連ページへ移動します。)および6月18日(関連ページへ移動します。)に公表しています(「栗駒2」で約2.1mの隆起と約1.5mの水平変動)。今回は、地殻変動を面的に把握することが可能なPALSARデータを用いた干渉合成開口レーダー(干渉SAR)による解析から、次のことが判りました。
- SAR干渉解析で捉えた面的変動
地殻変動を表す縞は、砂目模様(後述)を囲む東西に集中しており、6月18日に公表した逆断層型の震源断層モデルの変動域とSARで捉えられた範囲は調和的です。解析から読み取れる最大の変動量は、栗駒山周辺で少なくとも1mを超えます。 - 変動が集中した範囲
電子基準点「栗駒2」の設置されている地域を含む、岩手県奥州市胆沢区付近から、宮城県栗原市西北部の花山周辺にかけて、砂目模様が、北北東-南南西を軸に、幅約10km、長さ約30kmの範囲に見られます。この範囲は、SAR干渉解析では捉えられないほど、急激な地形の変動があったことを示しています。
添付資料
- 資料1 「だいち」合成開口レーダーによる地殻変動分布図(北行軌道)(PDF形式:715KB)
- 資料2 「だいち」合成開口レーダーによる地殻変動分布図(南行軌道)(PDF形式:696KB)
- 資料3 合成開口レーダー干渉解析の原理(PDF形式:37KB)
- 資料4 北行軌道と南行軌道の見え方の違い(PDF形式:177KB)
これらの結果は、下記からでもご覧になれます。
国土地理院SAR干渉画像公開ページ「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」
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地理地殻活動研究センター
地殻変動研究室 室長 飛田 幹男 Tel 029-864-6925(直通)
主任研究官 矢来 博司 Tel 029-864-6156(直通)
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