北海道地方測量部のトピックス(平成28年度)
平成28年度の北海道地方測量部のトピックスをご紹介します北海道地方測量部のトピックス(平成28年度)北海道地方測量部は(公社)日本測量協会北海道支部と共催で、第14回北海道測量技術講演会を札幌第1合同庁舎講堂において、官公庁、民間等から206名の参加により開催しました。
今回のテーマは、「情報通信技術(ICT)の活用による地理空間情報イノベーション」とし、酪農学園大学小川准教授からは、農業、環境分野等におけるUAVの活用事例やその効果について、北海道開発局の村上技術管理課長からは、建設業を取巻く現状と生産性革命に関する取組みであるi-Constructionについて、ICTの全面的な活用工事第1号工事である道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事の詳細と得られた効果について、コマツレンタル(株)北海道営業部の工藤スマートコンストラクション推進室グループマネージャからは、(株)コマツが開発しているICT建機の紹介やICT土工をサポートするスマートコンストラクションの取組みについてご報告いただきました。 国土地理院の中村地図情報技術開発室長からは、国土地理院のUAV活用のための横断的な組織であるランドバードチームの取組みを紹介するとともに、近年発生した自然災害への国土地理院の対応状況等について報告しました。 また、会場前ロビーでは、地理空間情報に関連した情報提供として、平成28 年度のGeoアクティビティコンテストや防災アプリ大賞に関する紹介パネル展示、PCモニターやタブレット端末を用いた地理院地図の紹介、さらに、3D模型によるプロジェクションマッピングを展示しました。 1.開催日時・場所 平成29年1月26日(木) 13時00分~16時30分 札幌第1合同庁舎講堂 2.講演プログラム ※講演資料はPDF版をダウンロードすることができます。 開会挨拶 国土地理院 北海道地方測量部 部長 乙井 康成 「無人航空機(UAV)を活用した国土地理院の災害対応」 国土地理院 基本図情報部 地図情報技術開発室長 中村 孝之 「i-Construction について」 北海道開発局 事業振興部 技術管理課長 村上 昌仁 講演資料 (PDF 4.9MB) 「ICT建機で未来を変える」 -『コマツ スマートコンストラクション』の紹介-」 コマツレンタル株式会社 北海道営業部 スマートコンストラクション推進室グループマネージャ 工藤 正裕 講演資料 (PDF 8.6MB) 閉会挨拶 国土地理院 北海道地方測量部 次長 岩田 昭雄 3.参加者 総数 206名
5.講演会風景
国土地理院では、広報に関する取り組み強化の一環として「電子基準点を設置している学校への出前授業(通称『学校へ行こう』)」を実施しています。北海道地方測量部では、昨年度の札幌市立星置中学校に続き、本年度は電子基準点「芽室」を設置している芽室町立上美生小学校の5年生8人を対象に出前授業を実施しました。
授業は午後の5、6時限目を使用し、5時限目は、「国土地理院の紹介」、「電子基準点を含む測量標の紹介」、「地図作りの工程の説明」、「地図記号と解説」、「外国人向け地図記号の紹介」などをクイズ形式により実施しました。6時限目は校庭に出て、自分の歩幅で距離を測る「歩測」という技術を学習しました。その後、冬季の体育授業で使用する一周240mのスケートリンクを校庭に整備するための目印の鋲を、一人1点ずつ設置しました。各鋲の測定は、習得した「歩測」での距離測定と合わせて、トータルステーション(角度と距離を計測する機械)を用いた距離測定を行い、精度を確認しながら進めました。 児童達は寒風が吹く中、初めて触るトータルステーションの精度の高さに驚き、歩測の難しさに戸惑いながらも、自分たちが滑るスケートリンクのコースを楽しく測量していました。全員が熱心に測量に取り組んだため予定していた授業時間をオーバーしてしまいましたが、設計図どおりの鋲の設置が完了しました。担当教諭からは、「男子生徒はトータルステーションに大いに興味を持ったようで、楽しく学習できた。」との感想をいただきました。 今回の出前授業により、子供達に国土地理院の役割や測量・地図の必要性について理解してもらい、さらに測量・地図や地理への興味を深めていただければ幸いです。
北海道では、地域防災計画に定める災害応急対策計画の実行性を検証するため、10月25日に防災関係機関と共同して北海道防災総合訓練(災害対策本部運営訓練、災害対策地方本部運営訓練)を実施しました。
北海道地方測量部は、災害対策本部運営訓練の連絡員として参加し、提供した防災共通地図や地理院地図の活用状況を把握し災害対策本部の活動内容について理解を深めました。 訓練は「巨大地震の発生から72時間までの対応」をテーマに進行し、収集した被害情報は防災共通地図に速やかに書き込まれていたほか、会場となった危機管理センターのスクリーンには地理院地図を用いて被害情報が映し出され、会場全体で最新の被害状況が共有されました。 北海道地方測量部ではこの訓練の経験を生かし、さらに連携した災害対応に繋げたいと考えています。
北海道地方測量部は、北海道工業高等学校長会及び北海道高等学校工業クラブ連盟が、8月4日、5日に苫小牧工業高等学校で開催した「第16回高校生ものづくりコンテスト北海道ブロック大会(測量部門)」を後援しました。
この大会には道内工業高校のうち土木科系のある学校9校から10チームが参加しました。競技では、グランドに設置された5つの測点において、トータルステーションにより距離と水平角を観測する時間と、観測値から閉合誤差とトラバースを計算する時間と閉合誤差や計算結果の正確性を競いました。参加した高校生は、これまで学んだ測量に関する技術や技能を発揮すべく、皆真剣なまなざしと機敏な動きで取り組んでいました。 審査の結果、最優秀賞は北見工業高校、優秀賞は札幌工業高校、優良賞は函館工業高校、苫小牧工業高校、帯広工業高校がそれぞれ受賞しました。 当地方測量部は、この大会に協力し、部長が激励の挨拶と最優秀校へ地測部長賞を授与するとともに、測量課長が審査結果を待つ時間に、「測量業界の現状について」の講演とGPS測量機の展示と操作説明を行いました。 北海道ブロックの代表として最優秀賞の1校と、全国大会開催地選出枠として優秀賞校1校の2校は、11月に苫小牧市で開催される全国大会に出場します。
公共測量の円滑な実施及び地理空間情報の利活用の推進などを目的とした標記会議を、道内7会場で開催しました。
会議には、北海道開発局、北海道森林管理局、北海道、道内市町村から計222名の出席をいただき、公共測量の手続き、「作業規程の準則」の一部改正、UAVを用いた公共測量マニュアル(案)、UAVの使用に関する安全基準(案)、地理院地図キットや旧版地図閲覧サイト、災害対応における地理空間情報の活用について説明しました。
2.議事内容 (1)公共測量関連
(2)地理空間情報関連
〔公共測量・地理空間情報担当者会議は、道内の国の機関(測量計画機関)、地方公共団体の公共測量担当者、防災担当者及びGISなどの地理空間情報を扱う担当者を対象として、毎年、道内7ヶ所を会場に開催しています。〕 北海道地方測量部と札樽地区測量設計協会札樽若力会(さっそんわかりきかい)は、平成28年7月22日(金)に札幌市厚別区の市立大谷地東小学校において、「測量の日」記念行事の一環として「測量体験学習」を開催しました。
この「測量体験学習」は、地図と測量に関する知識と理解の高揚を図ることを目的として、平成8年から札幌市内の小学校で実施しているもので、今年で21年目を迎えます。今年は、同校6年生の児童79名が参加して行われました。 測量体験学習の冒頭に教室において、北海道地方測量部から地図と測量、地理院地図を活用した学校周辺の今と昔の状況、緊急避難場所記号などの説明を行いました。その後グラウンドに移動して、歩測による距離の測定やトータルステーション(測角・測距儀)を使った校舎の高さ測定を体験しました。 当日は、晴天に恵まれ夏の日差しとなりましたが、北海道の爽やかな風の中、児童はみな元気いっぱいで若力会の担当者の説明を聞きながら、初めて体験する測量を楽しんでいました。後半はトータルステーションを用いた「トラバース測量」の体験を行いました。打ち込まれた20点を超える各計測点をラインでつなぐと、グラウンドには北海道の形が浮かび上がり、児童たちからは驚きと歓声がわき上がりました。 今回の測量体験が児童たちの地図・測量への興味を高めるとともに、将来の職業を考える際の参考になれば幸いです。
天塩川水系天塩川総合水防演習は、6月の水防月間(テーマ:洪水から守ろうみんなの地域)に合わせて、水防機関の連携と水防技術の向上や地域住民の理解と協力を深めることを目的に実施されました。
北海道地方測量部はこの演習に参加し、会場の名寄大橋上流左岸周辺に設営された展示コーナーにおいて、「名寄市周辺の陰影段彩図」、「平成27年関東・東北豪雨災害」及び国土地理院の防災対応に関するパネル展示のほか、地震や豪雨の災害発生後にUAVにより撮影した動画の放映や、ハザードマップポータルサイトの紹介(ビラの配布)などを行い、防災意識の向上を図りました。 北海道地方測量部では、今後も関係機関が主催する防災訓練等に積極的に参加し、連携強化と災害対応への地理空間情報の利活用を紹介していきます。
北海道地方測量部では、平成28年5月11日(水)札幌第1合同庁舎において、北広島市立西の里中学校から要望のあった職場訪問学習として2年生生徒5名に測量体験を実施しました。
同校の職場訪問学習は、「総合的な学習の時間」の一環として職場訪問と職業体験を通して、働くことの意味や自己の生き方を考えることができることを目的に取り組まれており、平成24年度から今回で5回目の受け入れとなります。 最初に国土地理院の測量と地図に関する取り組みについて説明を聞いた後、測量体験としてトータルステーション(測距・測角儀)の観測操作とGNSS受信機の設置、地図づくり体験としてパソコンを利用して地物・等高線の作図や注記・記号を付与する地図編集などを体験してもらいました。 参加した生徒からは、「図化作業で地図1枚を作るのにどのくらいの時間がかかるのか」「仕事のやりがいについて」「国土地理院の職員になるためには」といった具体的な質問があり、真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきました。 今回の測量体験が、参加した生徒達の将来の職業選択の参考になれば幸いです。
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