GPS連続観測から得られた電子基準点の地殻変動

 国土地理院は、GPS衛星の連続観測を行う電子基準点を全国1,240箇所に約20kmの間隔で設置し、測量の基準点として活用するとともに、全国の地殻変動を監視しています。
 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0)では、最大で水平方向に約5.3m、上下方向に約1.2mという極めて大きな地殻変動が観測されました。
 また3月11日の本震(M9.0)の後も、本震時の変動に比べるとわずかですが、緩やかな地殻変動が続いています。
 これらの地殻変動データは、地震を引き起こした地下の断層の分析や、測量への影響を評価するために活用されています。

3月11日の本震(M9.0)に伴う地殻変動

水平変動ベクトル図 上下変動ベクトル図

 本震発生時に、電子基準点「牡鹿」(宮城県石巻市)が、東南東方向へ約5.3m動き、約1.2m沈下するなど、北海道から近畿地方にかけて広い範囲で地殻変動が観測されました。
 なお、この図は、島根県にある電子基準点「三隅」が地震前後で動いていないと仮定して計算したものです。

水平変動量線図 上下変動量線図

水平方向

上下方向

等変動量線図(水平)

等変動量線図(上下)


3月11日の本震(M9.0)以降に生じている地殻変動

地震後の水平変動ベクトル図 地震後の水平変動ベクトル図(5倍)

 本震発生後、東北地方を中心に、東向きの地殻変動が継続して見られています。電子基準点で観測された本震後の変動の大きさは、3月19日までに大きいところで20cmを超えています。
 地震後に地殻変動が継続する現象は、大規模な地震の後によく見られます。余震に伴う変動に加え、地震の震源域あるいはその周辺で発生する断層面の滑り(余効滑り)が原因の一つとして考えられています。

地震後の水平変動量線図 地震後の上下変動量線図

地震後の変動(水平方向)

地震後の変動(水平方向)
(5倍に拡大)

等変動量線図(水平)
4月17日までの変動量

等変動量線図(上下)
4月17日までの変動量

電子基準点で観測されている地震後の変動

電子基準点の位置(クリックすると緯度、経度、高さの時間的な変化が表示されます)

電子基準点の位置図

岩泉2 岩手川崎A 北茨城 銚子 山田 八戸 矢本 相馬1

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土交通省国土地理院
測地観測センター  地震調査官   矢来 博司  TEL 029-864-4825(直通)
          地殻監視課長  吉池 健   TEL 029-864-5971(直通)
来場者数

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