別紙 今回の一部改訂版で新たに表示・変更した箇所

今回の一部改訂版で新たに表示・変更した箇所

(1)地震断層について

 平成26年(2014年)長野県北部を震源とする地震に伴って出現した地震断層は、多くの場所で既知の神城断層に沿って断続的に出現しました。地震発生後に関係各機関による現地調査等が実施され、各種報告がされています。本図はこれらの調査・報告結果を踏まえた上で、改めて空中写真判読等の調査を実施して、都市圏活断層図における地震断層として表示しました。
 本図に表示した地震断層は、神城断層の主断層部分に沿うような形で、北は白馬村北城(ほくじょう)付近から南は堀之内付近まで、多くは短い線分状で断続的に、時には雁行・並行して分布しています(資料2-1-A、資料2-2-A)。
 今回出現した地震断層と既存の活断層図との関係について、多くの地点では概ね既知の活断層線に沿う形で地震断層が出現しており、同じ場所で繰り返し地震を引き起こす活断層の特徴がよく現れています。一方、一見して既知の断層線と地震断層の出現位置が異なる地点もありましたが、その多くが、人為改変や堆積・侵食によって変動地形が不明瞭となったことによる「位置やや不明確」としていた箇所でした。
 

(2)新たに認められた活断層について

 本図の改訂にあたっては、初版の「白馬(しろうま)(だけ)」「大町(おおまち)」の公表(平成11年)以降に実施された関係各機関の活断層調査等により得られた新しい知見を踏まえ、地震断層の出現した範囲を中心に空中写真の再判読を行い、2万5千分1の縮尺で表示しています。
 今回の再判読で、新しく活断層として認められた箇所として、白馬村野平(のだいら)において延長約2kmの活断層を新たに表示しました(資料2-1-B、資料2-2-B)。これは、野平の中位段丘西端付近に約250mの地震断層が出現したことにより、周囲の地形を判読し、変動地形が認められたことにより表示したものです。
 

(3)新しい知見を踏まえて表示した活断層について

 初版の公表以降に得られた知見に基づき変更となった箇所として、本図北部の小谷村立屋付近から本図中央付近の松川左岸にかけて、南北方向に数条の活断層を新たに表示しました(資料2-1-C、資料2-2-C)。
 これらの活断層は、平成17年度~平成21年度に実施された「糸魚川-静岡構造線断層帯における重点的な調査観測」(文部科学省・東京大学地震研究所・国土地理院)において記載された断層地形を始めとする最新の知見と基本的に整合しています。その他、各機関で実施したトレンチ調査地点、断層露頭位置など活断層記載に関わる情報として新たに表示しています。