平成27年7月の地殻変動について

発表日時:平成27年8月10日(月)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2015年6月下旬から2015年7月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
 火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。


トピックス

  • 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動は、東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
  • 吾妻山周辺では、2014年12月頃から一部の基線で山体の膨張を示す小さな地殻変動が見られます。(別紙9)
  • 草津白根山周辺では、2014年春頃から湯釜付近の膨張を示す地殻変動が継続しています。(別紙10)
  • 浅間山周辺では、2015年6月頃から浅間山を挟む基線で小さな伸びが見られます。(別紙11)
  • 御嶽山を挟む基線で、2014年9月上旬頃からごくわずかな伸びと9月下旬頃からごくわずかな縮みの傾向が見られ、12月までに9月上旬頃の基線長に戻っています。(別紙12)
  • 箱根山周辺の基線で2015年4月から山体の膨張を示す地殻変動が見られます。6月以降は一部の基線で伸びの速度がやや低下したものの、引き続き山体の膨張を示す地殻変動が見られています。(別紙13)
  • 硫黄島の「硫黄島1」及び「M硫黄島A」は、2015年3月頃から隆起速度が上がっています。また、2015年4月中旬頃から西向きの変動速度が上がっています。(別紙14)
  • 阿蘇山周辺の基線で2014年1月頃から伸びの傾向が見られます。(別紙15)
  • 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」基線で2013年12月頃から伸びの傾向が見られていましたが、2015年1月頃から停滞しています。(別紙16)
  • 桜島島内の基線では、2014年7月頃から停滞またはわずかな縮みの傾向が見られていましたが、2015年1月上旬頃から伸びの傾向が見られます。鹿児島(錦江)湾を挟む一部の基線で見られた長期的な伸びの傾向は、2013年6月頃からほぼ停滞していましたが、2015年1月上旬頃から伸びの傾向が見られます。(別紙17)
  • 口永良部島の観測点では、2014年12月頃から新岳から遠ざかる方向のわずかな変動が見られます。5月29日の噴火後もこの傾向に大きな変化はありません。(別紙18)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2014年7月下旬から2015年7月下旬まで、別紙19)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • 長野県北部では、2014年11月22日の長野県北部の地震に伴う大きな地殻変動が見られます。
    • その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
測地観測センター  地殻監視課長  木暮 弘幸 (029-864-5971)
測地観測センター  地震調査官   檜山 洋平 (029-864-4825)

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