平成26年7月の地殻変動について

発表日時:平成26年8月8日(金)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGNSS連続観測網の観測結果から求めた2014年6月下旬から2014年7月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
 7月8日に発生した胆振地方中東部の地震(M5.6、最大震度5弱)では、小さな地殻変動が検出されました。また、7月23日頃から29日頃にかけて発生した伊豆大島近海の地震活動では、わずかな地殻変動が検出されました。
 火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。


トピックス

  • 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動は、東日本の広い範囲で継続していますがその変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
  • 7月8日に発生した胆振地方中東部の地震(M5.6、最大震度5弱)に伴う地殻変動が検出されました。水平変動量は、「M樽前山A」で北東方向に1.8cmでした。(別紙9)
  • 7月23日頃から29日頃にかけて発生した伊豆大島近海の地震活動に伴い、「大島1」でわずかな地殻変動が観測されました。(別紙10)
  • 草津白根山周辺では、湯釜付近の膨張を示す地殻変動が見られます。(別紙11)
  • 硫黄島内の「硫黄島1」、「M硫黄島」では2012年4月下旬に、通常より大きな隆起を観測しました。その後、沈降・隆起・沈降・2014年1月頃から停滞を経て、2月下旬頃から隆起の傾向が見られます。「硫黄島2」では南向きの変動が見られます。(別紙12)
  • 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」、「牧園」-「都城2」の基線で、2011年12月以降わずかな縮みの傾向が見られていましたが、「えびの」-「牧園」基線で、2013年12月頃から伸びの傾向が見られます。(別紙13)
  • 桜島島内の基線では、2013年2月頃から見られていた伸びの傾向が同年7月頃から縮みの傾向に転じていましたが、2014年2月頃から伸びの傾向が見られます。鹿児島(錦江)湾を挟む一部の基線で、長期的な伸びの傾向が続いていましたが、2013年6月頃から停滞気味です。(別紙14)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2013年7月下旬から2014年7月下旬まで、別紙15)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司 (029-864-6925)
測地観測センター      地殻監視課長    木暮 弘幸 (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官     宮川 康平 (029-864-4825)

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