平成26年1月の地殻変動について
発表日時:平成26年2月10日(月)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGNSS連続観測網の観測結果から求めた2013年12月下旬から2014年1月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
この期間に発生した地震等に伴う地殻変動として、房総半島沖でのプレート間ゆっくり滑り(スロースリップ)現象に伴う地殻変動が、1月2日頃から1月10日頃にかけて房総半島で見られます。また、火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
トピックス
- 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動は、東日本の広い範囲で継続していますがその変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
- 房総半島において、1月2日頃から1月10日頃まで定常的な地殻変動とは異なる変動(非定常地殻変動)が検出されました。この変動は、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面※で発生した、ゆっくり滑り(スロースリップ)現象によるものと推定されます。(別紙9) ※この境界面は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を引き起こした太平洋プレートと陸側のプレートとの境界面とは別のものです。
- 硫黄島内の「硫黄島1」では2012年4月下旬に、通常より大きな隆起を観測しました。その後、沈降・停滞・隆起を経て、2013年4月頃からほぼ停滞、5月頃から隆起の傾向が見られていましたが、9月頃からほぼ停滞、11月頃から沈降に転じています。「硫黄島2」では南向きの変動が見られています。(別紙10)
- 桜島島内の基線では、2013年2月頃からわずかな伸びの傾向が見られましたが、同年7月頃から停滞またはわずかな縮みの傾向が見られます。鹿児島(錦江)湾を挟む一部の基線で、長期的な伸びの傾向が続いていましたが、6月頃から停滞気味です。(別紙11)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2013年1月下旬から2014年1月下旬まで、別紙12)からは、以下のような傾向が見られます。
- 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動
- 8-1 地震後の地殻変動(水平)-1ヶ月- [PDF形式:246KB]
- 8-2 地震後の地殻変動(水平)-累積- [PDF形式:250KB]
- 8-3 地震後の地殻変動(上下)-1ヶ月- [PDF形式:233KB]
- 8-4 地震後の地殻変動(上下)-累積- [PDF形式:242KB]
- 8-5 地震後の地殻変動(時系列) [PDF形式:657KB]
- 8-6 地震前後の地殻変動(成分変位と速度グラフ) [PDF形式:954KB]
- 別紙9 房総半島での非定常的な地殻変動(1月2日頃~1月10日頃)
- 別紙10 硫黄島周辺の地殻変動 [PDF形式:387KB]
- 別紙11 桜島周辺の地殻変動 [PDF形式:255KB]
- 別紙12 全国の地殻変動(水平)-1年間- [PDF形式:493KB]
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 畑中 雄樹 (029-864-6925) 測地観測センター 地殻監視課長 飯塚 豊久 (029-864-5971) 測地観測センター 地震調査官 宮川 康平 (029-864-4825)