最終更新日:2023年4月3日

新しい測量技術を使用する場合の諸注意

新しい測量技術を使用する場合の諸注意

はじめに

 作業規程の準則(平成20年3月31日国土交通省告示第413号)(令和5年3月31日改正)(以下「準則」という。)に則り、作業マニュアル、精度検証報告書等を作成し、あらかじめ国土地理院の長の意見を求めることにより、準則に規定されていない機器及び測量方法による公共測量を行うことができます。(準則第17条第2項)
 また、国土地理院が新しい測量技術を用いた測量方法についてマニュアルを定めている場合には、そのマニュアルを用いて公共測量を行うことができます。(準則第17条第3項)
【準則第17条第2項】
 計画機関は、この準則に定めのない新しい測量技術を使用する場合には、使用する資料、機器、測量方法等により精度が確保できることを作業機関等からの検証結果等に基づき確認するとともに、確認に当たっては、あらかじめ国土地理院の長の意見を求めるものとする。
【準則第17条第3項】
 国土地理院が新しい測量技術による測量方法に関するマニュアルを定めた場合は、当該マニュアルを前項の確認のための資料として使用することができる。

公共測量実施計画書提出までの流れ

 新技術を使用する場合の公共測量実施計画書提出までの流れは図のとおりです。
公共測量実施計画書提出までの流れ図

準則第17条第3項

 国土地理院が定めたマニュアルを用いて公共測量を行う場合は、公共測量実施計画書の「測量精度」欄に、当該マニュアル名を明記することで、その手法により公共測量を実施することができます。
【マニュアルの代表例】
  • LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアルについて(令和4年6月)
  • 「i-Construction推進のための3次元数値地形図データ作成マニュアル」について(令和4年4月)
  • 三次元点群データを使用した断面図作成マニュアル(案)(平成31年3月)
  • マルチGNSS測量マニュアル(案)(令和2年6月)

マニュアル・要領等のダウンロード

※ご注意ください※
 以下のマニュアルは、すでに準則内に統合されています。統合にあたり、マニュアルの内容を一部見直す場合もありますので、これらのマニュアルについては、準則を用いるようにしてください。なお、マニュアルには具体的な作業内容が記載されていますので、参考資料としてご利用ください。
  • 電子基準点のみを既知点とした3級基準点測量マニュアル(案)(令和3年6月)
  • UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)(令和2年3月)
  • 車載写真レーザ測量システムを用いた三次元点群測量マニュアル(案)(令和元年12月)
  • 航空レーザ測深機を用いた公共測量マニュアル(案)(平成31年4月)

準則第17条第2項

 準則にも上述のマニュアル類にも定めのない新技術を用いて公共測量を行う場合は、計画機関または作業機関が、独自にまたは協力して作業マニュアルを作成し、精度検証作業を実施してその結果をまとめ、国土地理院に提出する流れとなります。
 なお、新技術は確立された技術ではありませんので、成果の点検が極めて重要になります。精度検証報告書作成の際だけでなく、実際の公共測量実施の際にも、既存の技術による結果と十分に比較し、精度の確保に努めてください。

デジタル航空カメラ

 デジタル航空カメラのうち、下表[1]に示すカメラ(新規販売中及び特殊な機構のカメラ)は、準則第17条第2項の対象となります。これらのカメラを公共測量で初めて使用する場合は、個体ごとに精度検証報告書を国土地理院に提出して頂く必要がありますので、作業開始前に、国土地理院測量指導課までご連絡ください。
 なお、他の計画機関・作業機関により既に精度検証報告がなされている個体については、改めての精度検証報告は不要です。
[1] 新規販売中及び特殊な機構のカメラ
DMCⅢ、UCE-M3、UCF-M2、航空レーザ付属カメラ、オブリークカメラ、デジタルラインセンサ

 精度検証報告書の内容としては、以下が挙げられます。
  • 機器の概要及び諸元
  • 機器のキャリブレーションレポート
  • 精度検証の詳細
    • 同時調整前の外部標定要素による実体視計測座標値(水平位置と標高)と、現地観測座標値との較差検証
    • 同時調整計算におけるブロックの精度検証(調整点は最小限とする)
    • 同時調整後の外部標定要素による実体視計測座標値(水平位置と標高)と、現地観測座標値との較差検証
    • 従来機種との同一の地点・同一地上解像度の画像比較(当該地区の画像があれば)


 新規販売終了かつ過去に精度確認事例のあるカメラ(下表[2])については、各自で精度管理を行うことで、国土地理院に精度検証報告書を提出せずに、公共測量で使用することができます。ただし、当該のカメラを中古で新たに調達した場合は、GNSS/IMUとともにボアサイトキャリブレーションを必ず行い、既成の成果品と同程度の成果が得られること確認した上で使用してください。
[2] 新規販売終了かつ過去に精度確認事例のあるカメラ
DMC、DMCⅡ、DMCⅡe、UCD、UCX、UCXp、UCXp-WA、UCFp、UCE、UCE-M2

新しい測量手法及び測量技術

 準則にも国土地理院が定めたマニュアルにも規定がない測量手法(DSMによる写真地図作成など)や、新しい測量技術は、準則第17条第2項を適用して公共測量に使用することとなります。
 事前に作業マニュアル(作業方法、精度管理方法、点検方法等を定めたもの)及び精度検証報告を国土地理院に提出し、内容の確認を受けてください。

新しい測量技術による測量方法に関するマニュアル等作成手引き[PDF 106KB]

なお、以下の点にご注意下さい。
●準則第17条第2項に該当する公共測量を初めて実施する場合は、内容の確認に時間を要しますので、お早めに国土地理院測量指導課までご相談ください。
●新しい測量技術による測量方法を行う場合、準則による方法を十分に理解していることが円滑な測量に繋がります。
●精度管理上の問題が発生した場合に備え、精度を確保できる他の方法も、あらかじめ想定・準備しておくことをお勧めします。

公共測量実施計画書への記載

 新しい測量技術を使用される場合は、下記の例に従い、公共測量実施計画書に記載をしてください。
また、計画機関と作業機関の間で十分な調整を行った上で、実施計画書を作成して下さい。

<例>
「新しい測量手法」については「測量精度」欄に
・LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアル (準則第17条3項適用)
・(国土地理院の確認を受けた独自のマニュアル等の名称) (準則第17条2項適用)

「デジタル航空カメラ」については「測量方法」欄に
・GNSS/IMUによる空中写真撮影 (カメラ名:準則第17条2項適用)

問い合わせ先

準則第17条適用の判断や手続きについての質問等は、以下のお問い合せフォームで受け付けています。
お問い合せフォーム(新規ウインドウ表示)

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